「映像研には手を出すな!」メインビジュアル(C)2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会 |
1月にNHK総合でスタートしたアニメ「映像研には手を出すな!」(日曜深夜0時10分、全12回)がアニメ好きらの心をとらえている。アニメ作りに熱中する女子高生たちを描く作品だが、アニメ制作の詳細を手厚く表現し、作画の細かさや美しさを追求した作風はファンや専門家から高く評価されている。夢を追い続けた若き原作者のアニメへの情熱が、「天才」の呼び声高い湯浅政明監督の手で形になった。2日夕にはここまで4回分の再放送が決まった。 (原田晋也)
主要キャラクターは、作品の世界観や設定を構想するのが好きな「監督タイプ」の浅草みどり、現実主義で制作全体を俯瞰(ふかん)する「プロデューサータイプ」の金森さやか、リアルな動きにこだわる「アニメータータイプ」の水崎ツバメ。この三人が高校で出会い、「映像研」を設立。力を合わせて理想のアニメを作ろうと奮闘する物語だ。
作中では、構想を練る浅草らの頭の中の空想が、劇中劇のように表現される。自分たちでデザインした虫のような形の機械に乗り込んで飛んだり、古い部室の修理を宇宙船の修復訓練に見立てたり。高校の部活動の話だが、SFファンタジーのような世界が自在に展開する。予算も時間も限られた中で道具をそろえ、いかに効果的に心ひかれる動きを表現するか、といった制作上のリアルな工程も描かれる。
湯浅正明監督 |
「夜明け告げるルーのうた」「きみと、波にのれたら」など長編アニメ映画を手掛けてきた湯浅監督にとって、テレビアニメは五年ぶりの挑戦。放送開始前の取材会で「アニメの中でアニメを作る話は難しく苦労しているが、そこが見どころになっている」と話す。わざと設定画のようにラフにした背景の中をキャラクターが動き回り、「バババババ」といった効果音を声優陣の声で表現することで空想シーンを表現した。
「今作は想像していたものが形になっていく醍醐味(だいごみ)にあふれている。アニメを作る作業は大変だけど、楽しいんだぞってところを感じていただければ」
NHKによると、初回放送後から、SNSなどで大反響になったという。若手職員の間でも話題となったことなどから、中高生ら幅広い層にも見てもらえるよう二日午後四時十五分という日中の時間帯での再放送を決めたという。
◆原作の漫画家・大童澄瞳 アニメーター志望も挫折…テレビ放送「夢のよう」
「夢なんじゃないか」と語る原作者の大童澄瞳 |
原作漫画は、アニメーター志望だった大童澄瞳(おおわらすみと)(26)のアニメへの愛とこだわりが詰まっている。作中のアニメ制作のディテール(細部)は、自主制作の経験が生きている。月刊漫画誌に連載中で、熱烈なファンが多い。
大童は「ストーリーに関係なく『この動きはすごい!』と思うと泣いてしまう」というほどのアニメ好き。「アニメを作らずに死ねるか? いや、死ねないな」と夢を捨てきれず、専門学校を卒業後も就職せずに自主制作に取り組んだ。
しかし、アニメの世界は甘くなかった。ほぼ毎日描き続けたが、二年弱かけても二分ほどの動画しかできず、とにかく何か一つ完成させようと、動きをつける前の絵コンテを漫画にすることを思い付いた。そうして仕上げた同人誌を即売会で販売すると、大手出版社の編集者からスカウトされ、二〇一六年に漫画誌で連載が始まった。
浅草、金森、水崎の三人のキャラクターは「自分の三分割」という。作中で「私の考えた最強の世界」を形にしたいと宣言する浅草は、特に心の奥深くにいるキャラだ。
エンディングのアニメは大童自身が担当。「エンディングを描きたいな」というツイッターでのつぶやきが、湯浅監督の目に留まったという。一度は挫折したアニメ作りの夢を、アニメ作りをテーマにした漫画を通じてかなえた。
「一体何が起きているんだろう?という感じ。『夢のよう』とはこういう時に使うんだと思います」
◆魅力の根源 本質から解き明かす
<アニメ・特撮研究家の氷川竜介の話> アニメの根源的な面白さを広く的確に伝えてくれる、今まで見たことがなかったタイプの作品。「お仕事もの」として、アニメ制作を扱った作品は過去にもあった。だが、本作は舞台とキャラで構成される「アニメ世界の成り立ち」に注目し、魅力の発生源を本質から解き明かしていく点が素晴らしい。湯浅監督についてもベストマッチと断言できる。
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February 01, 2020 at 06:39AM
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アニメの神髄、がっちり形に! アニメ制作描く「映像研には手を出すな!」:放送芸能(TOKYO Web) - 東京新聞
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