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Saturday, February 29, 2020

さるぼぼ形の防犯ブザー開発中 高山工高生ら - 中日新聞

基板を作る生徒たち。手前は3Dプリンターで製作した模型=高山市千島町の高山工業高で

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 高山市千島町の高山工業高校三年生三人でつくる「さるぼぼーいず」が、さるぼぼの形をした防犯ブザーの商品開発に取り組んでいる。メンバーの塩屋陽貴さん(18)は「さるぼぼの防犯ブザーが飛騨地域に広がるプロジェクトになれば」と量産化の夢を語る。

 三人は、電子機械科の塩屋さん、住田徳善さん(18)、白井拓実さん(17)。防犯ブザーの開発は卒業製作として、昨年四月から取り組んできた。

 きっかけは、一学年上の先輩が、さるぼぼの形をした防犯ブザーケースの金型を製作し、工業高校生金型コンテストで入賞したこと。当時は出来上がった型に市販のブザーを入れていたが、三人はそれを応用して防犯ブザーの商品開発に乗り出した。

 形は、さるぼぼのキーホルダーやストラップで見られるスタンダードなデザインを採用。遠くから見て防犯ブザーかキーホルダーか見分けがつかないようにすれば、犯罪の抑止効果があると考えた。

 しかし、商品化への壁は厚かった。その一つは音量だ。全国防犯協会連合会が推奨する優良防犯ブザーの規格は八十五デシベル以上で、市販の防犯ブザーも九十デシベル以上が多い。そのため、三人も九十デシベル以上を目指した。スピーカーだけでは音の大きさに限度があるため、スピーカーをケースに入れ、反響させることで音を大きくすることに。ケースの厚さやスピーカーを置く高さを変えて3Dプリンターで製作し、音が大きくなる形を手探りで追求した。

 しかし、ケースがあるために、防犯ブザー自体がどんどん大きくなってしまった。誤飲防止のためボタン電池ではなく、単四電池を一本使用するため、電池が収まる程度の大きさを想定していたが、はるかに超えてしまった。三人は二月に自由登校となった後もほぼ毎日学校に通い、小型化の方法を模索した。

 三月一日に高校を卒業するため、開発の続きは二年生の後輩に託すことになった。住田さんは「完成品が見てみたい。どんなものができるんだろう」と期待を膨らませる。

 さるぼぼは「サルの赤ちゃん」を意味することから、語呂合わせで災いが「さる(去る)」として、昔からお守りとして親しまれてきた。三人は「さるぼぼの形をした防犯ブザーならば、お守りの役目も果たす」と考えた。

 塩屋さんは「防犯ブザーを通して、さるぼぼに込められた意味が伝わればうれしい。将来は飛騨地域の小学生に持ってもらえたら」と話す。

 (加藤佑紀乃)

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