「史上最大級のダイヤモンド原石発見─」
昨年4月、センセーショナルなニュースが世界中を駆け巡りました。史上2番目の大きさとなる1758カラットの原石が、20億年の時を経てアフリカ・ボツワナ共和国のカロウェ鉱山で発掘されたのです。どれほどの値がつくのか想像もつきません。
鉱山といえば、日本でも新潟県の佐渡金山や島根県の石見銀山などが世界的に有名でしたが、昔の人はどうやって鉱山を掘り当てたのでしょうか。川から砂金でも流れてくれば話は別でしょうが、現在のように科学技術に頼らず、あまたある山の中からどうやって見つけ出したのか、不思議でしかたありません。
日本では他にもサファイアやトパーズなどの宝石も採れますが、まだ未発見の鉱山が眠っていると思うとロマンを感じます。
前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは「天然石検定」。天然石の種類や採掘の歴史、石の取り扱い方法などが学べる検定です。
天然石というと、最近はパワーストーンなどスピリチュアル系をイメージする読者も多いと思いますが、この検定は宝石としての価値にフォーカスしているのが特徴です。 それでは例題を見てみましょう。
〈問1〉インド、マダガスカル、スリランカなどで採れ、ウォーター・サファイアとも呼ばれている宝石(鉱物)は、【1】アイオライト、【2】ネフライト、【3】フローライト、【4】ラブラドライトのうちどれ?
〈問2〉主に宝石業界の商習慣として使われ、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドの四大宝石を指す呼び方は、【1】至宝石、【2】誕生石、【3】貴石、【4】碧玉のうちどれ?
実際の問題は筆記式(選択と記述)で出題されます。例題の答えは〈問1〉が【1】、〈問2〉が【3】となっています。
試験区分は2級と1級に分かれ、私は2級に合格していますが、1級の上には「マスター」検定試験というのもあります。
実際には、石屋の経営者や宝飾店の店員さんが仕事に生かすために受検しているようですが、この検定に合格するメリットとしては、やはり「宝石」としての天然石の知識が身につくこと。前述のとおり、日本でも鉱物は採れますが、その最たる例がヒスイではないでしょうか。
ヒスイは新潟県の糸魚川流域や北海道の日高山脈で採ることができ、ネットのオークションサイトを見てみると、鑑定書つきの10キロの原石が30万円前後で取り引きされていました。ヒスイは宝石の中で最も本物と偽物(キツネ石)との見分け方がつかないやっかいな石とされていますが、天然石に詳しくなれば、インチキ商品をつかまされるリスクは軽減できるはず。
まだ日本には貴重な天然石がたくさん眠っているはず。もしかしたら、ハイキングや山歩きの途中で、思わぬお宝が発見できるかもしれませんね。
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は600
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March 15, 2020 at 04:01PM
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