Pages

Wednesday, April 22, 2020

クロスフォーカット、ダンシングストーン…「知的財産」武器に宝石革命! クロスフォー・土橋秀位社長:イザ! - iza(イザ!)

 【トップ直撃】

 宝石の世界に飛び込んで40年。デザインや製造にとどまらず、特許技術を含む知的財産を軸に事業を展開する異色のジュエリーメーカーだ。国内での独自ブランドやOEM(相手先ブランドによる製造)のほか、世界展開にも積極的に取り組んでいる。(中田達也)

 --「クロスフォーカット」とはどのようなものですか

 「ダイヤモンドのカットでは『ラウンドブリリアントカット』が最も有名なのですが、それに並ぶような輝きで、なおかつ原石から歩留まりのいいカットを何年もかかって作り上げました。クロス(十字架)のような輝きが出るのでクロスフォーカットと名付け、特許を取得しました」

 --歩留まりとは

 「ダイヤモンドの原石はピラミッドの底と底を合わせたような正八面体ですが、クロスフォーカットはラウンドブリリアントカットより14%、目方が大きく取ることができるんです」

 --開発のいきさつは

 「私は約40年前からルビーやサファイアなど宝石を輸入し、メーカーさんに販売していました。当時、海外にコンスタントに買い付けに行っていたのは日本で数人でしたね。そのなかで、ダイヤを扱う際にオリジナリティーを出すためのカットを考えたというわけです」

 --もう一つの代表的な商品が「ダンシングストーン」です

 「ダイヤの輝きは中から光っているわけではなく、外からの光を反射しているわけです。ということは、宝石そのものが振動すればものすごくキラキラすると想像できるじゃないですか。物理的にどうすればいいかを考え、構想から2、3年かけて開発しました。こちらも特許を取得しています」

 --どんな仕組みで

 「振動させるとには安定させないということです。宝石を留める金具同士を点で結び、それを両側からつっているというわけです。体操の選手がつり輪を持ってぶら下がっているようなイメージだというと分かりやすいかもしれません。ネックレスにして胸につけると、呼吸や心臓の鼓動だけで振動して輝きます」

 --当時の反響は

 「いまではジュエリーの業界では当たり前になっていますが、当時はだれも見たことがなかったので世界中で見た人が驚愕(きょうがく)していましたね。特に普段はジュエリーに興味を持つということはめったにないんですが、仕組みを知りたい人が多く、展示会でも男性の方が興味を持っていましたね」

 --どのような販路で

 「一つはうちのブランド『クロスフォーニューヨーク』、それ以外はほかの会社のブランドのOEM(相手先ブランドの製造)で、国内外の大手のブランドにも供給しています」

 --海外展開は

 「ほとんど全世界ですが、特に大きなマーケットは米国ですね。インド、タイ、香港などです。国内では製品を販売していますが、海外ではパーツ(石枠)を売っています。うちのパーツを使ってさえいれば、ロイヤルティーはそこに乗っているので本物ですよという意味です」

 --新たな技術開発も 「片手で留められる金具『エクセレントロック』です。従来はジュエリーやアクセサリーの金具は両手を使わないと留めるのが難しく、爪の長い女性は特にたいへんでした。ブレスレットの場合、両手を使うのもやりにくいんです。こちらも世界の市場が狙えると考えています」

 --ジュエリー・アクセサリー市場の現状は

 「日本はバブルのときは約3兆円ありましたが、この10年間、9000億円ぐらいのマーケットです。一方、世界では2020年で50兆円といわれています。現状は新型コロナウイルスの問題でイベントや展示会が開けず、物が動かないという状況になっていますが、積極的に世界で売ることを考え、そこに合わせるような商品構成にしていきたいと思います」

 【会社メモ】ジュエリー・アクセサリーの輸入・製造・販売を手掛ける。本社・甲府市。1987年シバド設立。99年「クロスフォーカット」を発明、2002年現社名に。10年「ダンシングストーン」を発明、17年ジャスダック上場。19年7月期の連結売上高34億円、当期純利益1300万円。従業員数96人(19年7月時点)。

 【山梨】本社は甲府市。「山梨は地場産業としてジュエリーメーカーが多く、インフラも整っています。そういうところには材料が必要になるので、われわれが宝石を輸入してメーカーさんに卸していました」

 【宝石】大学卒業後、「2カ月ぐらい勤め人もやったのですが、とても合わないと思いました。そうすると自立するしかない」と宝石業界に入った。

 「輸入をするにも専門知識や英語が必要なのでGIA(米国宝石学協会)という宝石鑑定の学校に飛び込みました。学校は苦労しましたね。夜寝る暇もなく、毎日朝の5時まで勉強でした。日々試験があって3回落ちると退学という決まりがあるなど、言い訳がきかない場所でした」と振り返る。

 【起業】学校を卒業後、3年から5年、宝石関連の会社で修業するのが普通だというが、「いきなり輸入商を始めました。金を借りてタイに行って、買い付けを始めたんです。伝票の切り方も何も知らなかったので、失敗の量では絶対に負けません」と笑う。

 宝石業界は自分に向いているという。「海外のしぶとい人たちと駆け引きしたり、やり合ったりするのが大好きなんです」

 「僕の場合、遊ぶために働くというところがあります。毎日必死で働いて人の10倍ぐらい遊んで、見たことのないところに行ったりするのも平気です」と話す。

 【上場】2017年にジャスダックに上場した。「世界企業になるための登竜門だと考えています。会社を100年企業にするにはどうすればいいのか考えたとき、上場は一つのゲートだと思いました。世界の大手の企業と正々堂々とコラボするにはそれなりのステータスがなければいけない」と話す。「ネームバリューというより上場の努力をすることで社員も私も育つんですね」という。

 【家族】妻と同社でトルコ勤務の長男(36)と香港勤務の次男(33)。「息子2人は新型コロナウイルスの問題でいまは帰国しています」

 【釣り】駿河湾でタチウオやタイ、マグロ、カツオなどを釣る。「自分でさばくのも得意です」という。社内の忘年会ではみずからマグロの解体を行っている。

 【海外】これまで訪れた国は30~40カ国。最近はタイやインド、アジア、香港が多いという。「食べ物がおいしいのがタイ。人間がおもしろいのはコロンビアかな。すぐに踊りだしたり、一緒にいて違和感がないですね」

■土橋秀位(どばし・ひでたか) 1954年8月22日生まれ、65歳。山梨県見延町出身。東海大海洋学部卒。78年米バージニア・ブルーフィールドカレッジ入学、79年米国宝石学協会入学。80年卒業後、帰国し、宝石の輸入卸を目的に土橋宝石貿易創業。87年シバド(現クロスフォー)設立。「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2018ジャパン」のExceptional Growth部門ファイナリストに選ばれる。

Let's block ads! (Why?)



"宝石" - Google ニュース
April 22, 2020 at 06:00PM
https://ift.tt/3eJg5pd

クロスフォーカット、ダンシングストーン…「知的財産」武器に宝石革命! クロスフォー・土橋秀位社長:イザ! - iza(イザ!)
"宝石" - Google ニュース
https://ift.tt/2OU8fhQ
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment