先行きの見えない世界に生まれた娘に
新型コロナウイルス感染症が広がる中、世界は重苦しい雰囲気と混乱に包まれています。そんな状況下で変わっていったライフスタイルや価値観、あるいは見つめ直したことについて、さまざまな立場の方々につづっていただくリレー連載「コロナ・ノート」。
小説家・白岩玄さんは、社会の混乱に巻き込まれながら迎えた妻の出産と、先の見通せない状況下で始まった子育てに対する率直な思いをつづります。
■著者プロフィール
白岩玄
1983年生まれ。京都市出身。2004年、小説『野ブタ。をプロデュース』で文藝賞を受賞し、小説家デビュー。同作は芥川賞候補作になり、テレビドラマ化。70万部のベストセラーになった。著書に『空に唄う』『愛について』『未婚30』『ヒーロー!』『たてがみを捨てたライオンたち』など。Twitter:@gegenno_gen
出産の立ち会いは禁止 心が折れる妊婦たち
緊急事態宣言を出すことを決めた安倍首相がテレビで記者会見をしていたとき、ぼくは風呂から出てきた2歳の息子の髪を拭いていた。いつも風呂上がりはテレビで好きなアニメ番組を見せるのが決まりになっている。息子は記者からの質問に答える安倍首相を少しのあいだ眺めると、「これやだ」と言ってリモコンを渡してきた。ぼくはその後、スマホでYouTubeを開き、イヤホンで会見を聴きながら息子を寝間着に着替えさせた。
宣言が発出され、ぼくが住んでいる名古屋でも県独自の緊急事態宣言が出された翌日、妊婦健診に行った臨月の妻から立ち会いがNGになったと連絡があった。もともと面会は不可になって、立ち会いが認められなくなるのも時間の問題だと聞いてはいたが、一人で産むのを不安がっていた妻はかなり落ち込んでいた。すでに予定日を2日ほど過ぎていて、もし予定通り産めていれば立ち会いができていたからなおさらだった(ただ、妻の産院では、出産後に30分だけなら、ぼくのみ会えるかもしれないとのことだった)。
ぼくも付き添えないのが心苦しかったが、自分が保菌者ではないと証明できないのだから仕方がない。Twitterで「立ち会い コロナ」と調べると、ぼくらと同じ宣告を受けてショックを受けている妊婦が全国にたくさんいるようだった。
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