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Friday, May 29, 2020

人を司る、形なきものの影(JBpress) - Yahoo!ニュース

 人は寿命が尽きれば、荼毘に付され灰となる。だが、その肉体の消滅をもって、その後は虚空に広がる「無」か、といえば、決してそうではない。  人が生きているということは、肉体を司る源となる何かが存在する。  世界の様々な宗教は、肉体は霊が形となり顕れたもので、霊と肉体が相俟って人間となる、と説く。  つまり人間とは神が編み出した生命の法則により、現象界の、この世に生まれ物質である肉体が消滅するまでの間、自由に活動するものである。  生きとし生けるものは母から生まれ、その母は、母の母から生まれた。では、生命の根本を遡り、何万、何億世代遡って突き詰めるとどこに行き着くのか。  地球上の生命の起源は、神の行為によるものとする説。地球上での無機物質が変異した結果との説。宇宙空間に浮遊する生物の芽胞が飛来し生命が誕生したという3つの説がある。  だが、最も現実的と思われる、無機物質が生物に変異したという説は、今まで一度も自然界で観察されたことがない。  また、実験室内で多くの科学者により無数の実験が繰り返されたにもかかわらず、無機物から生命体に移行したということは再現されていない。  古代ギリシアでは既に、万物の根源、宇宙の起源という考察が行われていたが、哲学者アリストテレス(前384年 - 前322年)は「動物は親の体から産まれる以外に物質からも生じることもある」と語った。  最近、ロンドン大学(UCL:ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)の研究チームは、カナダのケベック州で採取した岩石の中に約42億8000万年前の火山で湧き出た熱水噴出孔で活動した生命の痕跡を発見したと、英国の科学雑誌『ネイチャー』2017年3月2日号に発表した。  海底の泥である無生物質が熱せられて有機体(生命現象をもっている個体)となったというのである。

■ 物質以外の身体とは  多くの人は、人間とはその肉体部分を連想し、心は頭脳の中に存在すると考える。  物質的な肉体には、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五つの感覚があり、手で触れること、眼で見ること、匂いを嗅ぐこと、味わうこと、音を聴くことができる。  だが、表面的な肉体だけを人間と捉え、その機能や知識だけを追究するだけでは、人間の本質的な構造や、その存在に近づくことはできない。  今日、私たちが見えない世界を受け止める第六感(直感、ひらめき)が衰えた背景には人が視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚といった五感のみに頼ることが恒常化され、表面的な感覚がすべてと感じるようになったからではないだろうか。  密教では天空に広がる大宇宙のほかに、各々の人間の中に小宇宙が存在し大宇宙と連動しているという思想がある。  つまり、自身の内部に宿る小宇宙を識るということは、宇宙を知ることなのだ。  宇宙の本質である宇宙生命体という巨大な霊体と、その波動、意識の働きを密教では宇宙の三密という。  そのエネルギーにより、万物の意識の世界である霊界を創り、喜怒哀楽などが伴う心の世界である幽界が構成され、物質世界である現象界が創造された。  「気」は天と地の間を満たすだけでなく、生命の源泉であり、人間の心身から湧き出る心や感情も「気」そのものである。  また、目に見えないものだけではなく物質にも「気」が宿っている。  「気」は調和の原理で動く性質があり、同じ「気」の波長と出会うと協調し増幅するが、異なる波長とぶつかると変化する。  明るいところ、清浄なところには良いものが集まるように、プラスの気はプラスの気を引き寄せ、暗いところ、汚いところには同類のものが集まるようにマイナスの気はマイナスの気を引き寄せる。

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