古くから信仰の山として知られる新潟県南魚沼市の八海山(1778メートル)に、雪形「田かき馬」が姿を現し始めた。この地域の人々は古来、雪消えが進むと現れる田んぼを耕す馬を見上げながら農作業を始めたともいわれる。
同市浦佐、浦佐地域づくり協議会幹事の関安男さん(69)は幼いころから春先、八海山に姿を現す雪形を見続けてきた。浦佐から見える田かき馬は山頂のギザギザの左側にできる。山の黒い地肌に白い馬が徐々に見え始め、雪が消えると、馬の体の部分にウサギやカラスが見えるという。
関さんは「長年、残雪が白い馬の姿になると思っていたが、『雪が消えた部分が馬の形になり、黒い田かき馬もある』という話を聞いたことがあった。そう思って見ればそう見えてくる。山を見上げて自分だけの雪形を探すのも楽しい」と話した。【板鼻幸雄】
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