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Thursday, June 11, 2020

似合う眼鏡の選び方 顔の形や眉ライン意識を - 東京新聞


 新型コロナウイルスの影響でビデオ通話などを利用する機会が増え、自分の顔が相手にどう見えるのか、気になる人もいるのでは。特に眼鏡をしている人は、似合うかどうかで印象が大きく変わる。違和感なく、顔になじむ眼鏡を選ぶこつを、創業百周年の老舗眼鏡店「キクチメガネ」(愛知県春日井市)の認定眼鏡士、吉川泰弘さん(41)に聞いた。 (植木創太)
吉川泰弘さん

吉川泰弘さん

 吉川さんによると、「よく見える」「疲れない」という視力矯正器具としての機能が、良い眼鏡の大前提。その上で、フレームを選ぶ要素として、「顔の形」「黒目の位置」「眉ライン」の三点を挙げる。

 顔の形は縦幅と横幅から大きく分けて、「面長」「ふくよか」「面長でふくよか」「面長でほっそり」「小顔」の五つ。いずれもレンズ部分が、眉の下線からあごまでの三分の一の長さにするのが、バランス良く見える目安という。

 例えば、「面長」の場合、レンズ部分が上下幅のあるフレームを選んだ方が、顔の長さが目立たなくなる。一方、横幅があり、丸顔気味な「ふくよか」だと、上下幅を抑えた横長の眼鏡の方が顔の横幅が強調されずに、細めに見える。

 フレームが大きめだと、小顔に見える効果が出せるが、大きすぎると不自然さの方が際立つ。あえて崩す以外は、外側のフレームが顔のラインからはみ出ないようにする。

 装着した際は、黒目がレンズの中央か、少し内側に入るように。外側だと、目が実際より離れているように見える。眼鏡の上枠のカーブが眉の角度に沿っていると、より自然な印象になり、顔になじみやすい。

 フレームの種類は、逆台形で比較的上下幅のある「ウェリントン」、逆三角形に近い楕円(だえん)の「ボストン」、横向き長方形の「スクエア」、卵形の「オーバル」、円形の「ラウンド」に大きく分けられる。丸顔なら横に長いスクエア、面長なら上下幅のあるウェリントンなどといった具合に、自分の顔の形を考え、これまでの基本を踏まえると選びやすい。

 ただ、基本に縛られ過ぎると、いつも同じような一本になりがち。また、条件を付け過ぎると、あまり似合わなかったり、好みでなかったりするものを選んでしまう可能性もある。吉川さんは「基本を理解した上で、自分の顔の強調したい点や、弱めたい点を考え、柔軟に選んで」と話す。

◆購入前に眼科受診 病気の有無を確認

 名古屋市立大大学院医学研究科視覚科学講師の平野佳男さんは、眼鏡店を訪れる前に眼科を受診し、どんな眼鏡が良いかをまとめた「眼鏡の処方箋」を出してもらうように勧める。

 平野さんによると、視力低下や視界がぼやけるなどの見えにくさを感じるようになった時は白内障や加齢黄斑変性など、病気が隠れている場合がある。糖尿病網膜症や緑内障などは視力が下がらないこともある。

 通常、眼鏡店で行っているのは、目の検査ではなく、視力のチェック。平野さんは「視力が落ちた原因が近視や遠視などによるのか、病気によるのかを診断できるのは眼科医だけ」と強調。新しい眼鏡で見えるようになり、安心してしまうと、早期発見の機会を逃し、治療の遅れにつながるおそれもあるという。

 また、眼鏡を必要以上に見えるようにすると、眼精疲労の原因に。長く掛けても違和感のない眼鏡がいいが、店では最もよく見える度数で合わせることが多く、強くなりがちという。

 眼鏡の処方箋は、眼科医が検査や診断をもとに、最適な度数などをまとめたもの。店に持参すれば、レンズ選びがスムーズに進む。

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