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Wednesday, September 9, 2020

まるで宝石輝くガラス 副島硝子工業社長・副島太郎さん開発 - 佐賀新聞

ガラスの中に特殊な金属を混ぜ、無数のきらめきと奥深い色合いを表現した「玉手箱」=佐賀市の副島硝子工業

ガラスの中に特殊な金属を混ぜ、無数のきらめきと奥深い色合いを表現した「玉手箱」=佐賀市の副島硝子工業

完成した「玉手箱」を手にする副島太郎社長=佐賀市の副島硝子工業

完成した「玉手箱」を手にする副島太郎社長=佐賀市の副島硝子工業

テラスシリーズの「びーどろネックレス」

テラスシリーズの「びーどろネックレス」

 新しいガラスの開発に情熱を注いでいる人がいる。副島硝子工業(佐賀市)社長の副島太郎さん(72)。特殊な技術で金属と組み合わせたガラスは、まるで宝石のような輝きを放つ。見る角度で青や緑などさまざまに表情を変え、周囲を美しく照らすことから「TERASU(テラス)」と名付けた。約170年の伝統を誇る肥前びーどろに新たな命を吹き込もうと奮闘している。

 「魅力は色合いの幅広さ。着想から約1年で形づくることができたが、文様などまだ思い通りにはいかない。この研究が成功すればガラスでありながら幅広い用途での活用が実現する」。フランスの宝飾デザイナーとコラボし、パリの国際工芸フェアで高評価を得た「玉手箱」を前に、副島さんは力を込める。

 副島さんは創業400年の副島硝子工業の3代目。「宙吹き」技法で、肥前びーどろの伝統を守り抜いてきた。この技法で新たなものを生み出したいと試行錯誤する中、面白い物ができると確信したのが、ガラスに金属を入れるこの技術だった。

 もともと米国にあった技術で、日本に持ち込みたいと2017年ごろから挑戦を開始。九州大学や佐賀県工業技術センターに通って分析・研究を重ねた。

 「米国の材料では、出来上がったガラスが全部割れてしまって…」。数え切れない失敗を乗り越え、やっと納得できる段階に近づいた。文様など日々新たな発見があり、いま特許も出願している。

 テラスの制作には高度な技術と時間が必要だ。ガラス部分は3日かけて仕込んだ材料を使う。約1300度に熱したガラスを吹き竿に巻き取り、息を吹き込んでは窯に入れる作業を2~3時間繰り返す。そして作品の表面を半日かけて磨き上げる。

 何重にも色ガラスを重ねて奥行きを出し、プラチナ箔や金箔を入れる作品もある。計算しているが、「5度の温度差で色合いや完成度が変わりとても難しい」と副島さん。「偶然が織りなすデザインが美しく、作り手を驚かせ楽しませてくれる」と語る。

 技術の磨き上げには副島さんの同級生、馬渡惇さん(73)の力が加わった。馬渡さんは光学の専門家で、カシオ計算機で取締役執行役員デバイス事業部長などを歴任。現在は複数社で技術コンサルタントを務めている。

 「私はチャレンジを続ける副島のファン。長年の経験が副島や郷土の発展の一助になるなら」と馬渡さん。液晶に関する技術と知識でサポートしている。副島さんは「馬渡がいなかったら、この技術は完成しなかった」と話す。

 「私が30代の頃、父が工場を閉めようとした。それではいけないと私が工場に入った」と副島さん。「変化が必要」とそれまでの商品を一新したという。そして今も「時代に応じて変化する柔軟性が必要」と伝統を重んじながら変化を追い求める。コロナ禍で売り上げは厳しく、「V字回復するにはこれしかない」と、さらなる技術の向上と新商品開発に磨きを掛けている。(志波知佳)

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