2021年01月01日00時28分
北海道北部にある中川町の約9000万年前(白亜紀後期)の地層からアンモナイト類の化石を発見し、新属新種に分類したと、名古屋大大学院生で公益財団法人深田地質研究所(東京都文京区)の研究員村宮悠介さん(27)らが1日付の日本古生物学会英文誌に発表した。アンモナイトは渦巻き状の貝殻のタイプが知られるが、新種化石は山菜のゼンマイのような奇妙な形。当時は海底付近に生息していたとみられるが、生態は謎に包まれているという。
〔写真特集〕古代生物想像図鑑~アノマロカリス、空飛ぶトカゲ、甲羅のないカメ~
学名は発見場所の旧地名やアイヌ語のゼンマイから「天塩(てしお)のゼンマイ石」を意味する「ソルマイテス(属)テシオエンシス(種)」と名付けられた。3個体分の化石が見つかっており、最も大きい化石は長さ約10センチ、重さ約20グラム。
村宮さんが国立科学博物館の重田康成・環境変動史研究グループ長と研究を重ねた結果、貝殻は渦巻き状の部分ができた後、楽器のサクソフォンに似た形に成長することが分かった。中身の体は貝殻の成長方向に移動し、渦巻き部分は空洞となって浮きの役割を担っていたとみられる。貝殻の先端から「足」を出していたと考えられるが、どんな餌を食べていたのかは分かっていない。
白亜紀後期の北海道は陸地が東西に分かれ、中川町周辺はその間の海だった。アンモナイト化石が多く見つかるため、化石好きの村宮さんが名古屋大4年だった2015年に中川町の小川を訪れたところ、泥岩の中から「テシオエンシス」の最初の化石を発見した。村宮さんは「小さい頃から未知の化石を発見するのが夢の一つだった。新種と分かり、非常にうれしい」と話している。
新種化石は18日から中川町エコミュージアムセンターで展示される。
からの記事と詳細 ( ゼンマイ形のアンモナイト、北海道で発見 9000万年前、新種化石―深田地質研 - 時事通信ニュース )
https://ift.tt/3hA7tn0
No comments:
Post a Comment