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Tuesday, February 16, 2021

組織委会長後任17日にも内定 橋本氏、小谷氏、山下氏“背後の思惑”絡む一長一短3候補 - スポニチアネックス Sponichi Annex

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東京五輪・パラリンピック組織委員会会長候補に名前の挙がる(左から)山下泰裕氏、小谷実可子氏、橋本聖子氏
Photo By スポニチ

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は16日、辞任を表明した森喜朗会長(83)の後任を選ぶ「候補者検討委員会」の初会合を開催した。会長候補には橋本聖子五輪相(56)、組織委の小谷実可子スポーツディレクター(54)、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)の3人が浮上。それぞれを推す菅政権、東京都、組織委の思惑が絡む中、早ければ17日にも候補者が内定する。

 この日の初会合終了後、組織委の武藤敏郎事務総長は、概要などを公表。次回会合で後任候補が一本化される可能性を示した。

 スポニチ本紙の取材によると、菅義偉首相と組織委の間でほぼ一本化された橋本氏は、この日までに「正式に依頼が来てもお断りしたい」と周囲に明かしている。理由は懐事情と過去のセクハラ騒動。だが菅首相は、後継に求める3つの資質「若さ」「女性」「元アスリート」を併せ持つ存在として一貫して推している。検討委で選ばれれば「五輪相の立場として現実的には断れるわけがないし、会長に就任するため議員辞職した際の将来的なケアについても十分な“保証”を考えている」(与党関係者)とされる。

 そんな中、急浮上したのが小谷氏。開催都市の東京都から名前が挙がってきている。小池百合子知事(68)にとって橋本氏は五輪マラソンの札幌移転を巡り、うまくしてやられた因縁がある関係。これに対し小谷氏は、小池氏の犬猿の仲である森氏と不仲だったJOC竹田恒和元会長にかわいがられた存在で「敵の敵は味方のような間柄。小池氏が好む“英語ができて発信力がある女性”という意味でも合致している」(東京都関係者)。小谷氏に感触を確かめた関係者は「正式な依頼があれば絶対に引き受ける。やる気は十分」と話す。ただ政治経験がなく、実務能力は未知数だ。

 最後に急浮上してきたのが山下氏。「小谷氏の名前が出てきた後で、組織委の中から突然浮上してきたのが不気味。組織委内部の意向が強く感じられる」(与党関係者)といい、武藤事務総長が「聖子固辞」を受けて一気に推してきたとされる。「JOCトップとの両立も可能」(組織委関係者)というが、懸念されるのは昨年3月、東京五輪の1年延期が決まったIOCバッハ会長との電話会談に、小池氏や橋本氏が同席していた中、ひとり蚊帳の外に置かれたこと。重要な場面での信頼性、リーダーシップのなさを露呈した形となった。

 検討委メンバーには山下氏自身に加え、後輩の女子柔道で組織委理事の谷本歩実氏も入っており「選考者がなぜこの8人になったのかが不透明」(自民党中堅議員)との声もある。スポーツライターの玉木正之氏は「検討委が内容を公開しないのは古い体質そのもの。誤ったことを話すのが怖いなら訂正すればいいだけで、公開にすべき。メンバーに会長候補として名前が挙がる人がいるのも問題」と指摘した。

 一長一短がある3人の候補。IOCのバッハ会長による男女ペア案があっただけに「候補者を絞り込む中で“小谷&山下”の共同会長案が出てくることもあり得る」(組織委関係者)。検討委は17日に候補者を絞り込む作業を進める。

 ◆橋本 聖子(はしもと・せいこ)1964年(昭39)10月5日生まれ、北海道出身の56歳。92年アルベールビル五輪スピードスケートで冬季五輪日本女子初の銅メダル獲得。自転車と合わせて五輪出場7回は日本女子最多。95年に参院選で初当選し、国会議員としてアトランタ五輪に出場。引退後はJOC理事に就任し、10年バンクーバー五輪、14年ソチ五輪では選手団団長。日本スケート連盟会長、日本自転車競技連盟会長などを歴任。東京五輪招致に招致委員として貢献。19年9月から五輪相。

 ◆小谷 実可子(こたに・みかこ)1966年(昭41)8月30日生まれ、東京都出身の54歳。桐朋女高―日大卒。小4でシンクロナイズドスイミングを始め、高校時代に米国へ単身留学。88年ソウル五輪では女性初の日本選手団の旗手を務め、ソロとデュエットで銅メダル獲得。92年バルセロナ五輪では代表に選出されたが、本番では出番はなく、五輪後に現役引退。東京五輪招致活動にはアスリートアンバサダーとして関わる。現在はJOC理事、組織委員会スポーツディレクター。2児の母。

 ◆山下 泰裕(やました・やすひろ)1957年(昭32)6月1日生まれ、熊本県出身の63歳。10歳で柔道を始め、九州学院高で史上初の1年生高校総体王者。東海大2年時に19歳10カ月の史上最年少で全日本選手権初優勝し9連覇。世界選手権は81年の2階級制覇を含む3連覇。84年ロサンゼルス五輪無差別級金メダルを獲得し、同年国民栄誉賞受賞。203連勝のまま85年に28歳で引退。国際柔道連盟理事、全日本男子監督、強化委員長などを経て17年に全柔連会長に就任。19年6月からJOC会長。

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