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東京五輪・パラリンピック組織委員会の候補者検討委員会は、女性蔑視と受け取れる発言で引責辞任する森喜朗会長の後任候補として、橋本聖子五輪担当相に一本化し、就任を要請する方向で調整していると、NHKが17日報じた。
橋本氏が新会長に決まれば、新型コロナウイルス感染の終息が見えない中、開催まで半年を切った大会の安全な運営に向け重責を担うことになる。
男女半数ずつ8人で構成する候補者検討委員会(御手洗冨士夫委員長)は16日開いた非公開の会合で、男女平等など新会長に必要な5つの資質を取りまとめた。検討委員会の会合は17日も開催され、具体的な候補者を検討した。18日も3回目の会合を開く。その後理事会を開催して次期会長を正式に選定する。
加藤勝信官房長官は17日午後の記者会見で、「組織委は政府と独立した法人であり自ら判断されるべきもの。今実際、そうしたプロセスを進められていると承知している」と指摘、「詳細については政府として承知していない」と語った。
内閣の規範によると、国務大臣、副大臣及び大臣政務官は公益法人などの団体の役職に就く場合、報酬のない名誉職などを除き兼職できない。国務大臣は無報酬で兼務する場合には、首相に届け出なければならない。また、国会法39条によると、国会議員は国または地方公共団体の公務員と兼職できないが、参院事務局は五輪組織委会長は公務員でないので、法的には兼職可能と説明している。
新会長に求められる5つの資質 |
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組織委は17日の検討委員会後発表した文書で、同日の審議内容については具体的な候補者の人選に関わるため、新会長決定後に選考プロセスなどあらためて説明の場を設けるとしている。
森氏(83)は3日の日本オリンピック委員会(JOC)評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言。その後、海外メディアが批判的に報じたほか、 トヨタ自動車など東京五輪スポンサー企業も相次ぎ遺憾の意を 表明。大会ボランティアが数百人規模で辞退するなど影響が広がる中、森氏は12日に辞意を表明した。
森氏の辞意表明に先立ち、日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏(84)が一時後任候補に浮上したが、選任過程が不透明との批判から一転、受け入れを辞退するなど事態は混迷した。組織委は新たに候補者検討委員会を設置して次期会長候補の人選を進めてきた。
会長交代を巡る経緯(2月) | |
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3日 | 森氏がJOC評議員会で「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」と発言 |
4日 | 森氏が会見で発言を撤回・謝罪したが辞任は否定 |
9日 | 山下泰裕JOC会長が発言を批判。IOCも「完全に不適切」と声明 |
9-10日 | トヨタ自動車など五輪スポンサーが批判的コメントを相次ぎ発表 |
11日 | 川淵氏が後任会長を引き受ける意向示す |
12日 | 森氏が辞意表明。川淵氏は辞退。組織委が検討委を設置 |
15日 | 菅義偉首相が「透明でルールに基づいた選考」を組織委に要求 |
16日 | 候補者検討委の第1回会合で新会長の5条件取りまとめ |
17日 | 検討委第2回会合で具体的候補者を検討 |
組織委や国際オリンピック委員会IOCは7月の開催に向け、受け入れ観客数を含め新型コロナ対策を盛り込んだ詳細な運営計画を策定する重要な時期にある。3月25日には 聖火リレーが、4月以降には テスト大会も始まる予定だ。
(官房長官のコメントや背景などを追加して更新しました)
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