阪神春季キャンプ（３日、沖縄・宜野座）阪神は４日の紅白戦で２０２１年の初陣を迎える。矢野燿大監督（５２）は３日、ドラフト１位・佐藤輝明内野手（２１）＝近大＝を「１番・左翼」でスタメン出場させることを明かした。注目ルーキーの打席数を増やし、虎党を喜ばせるファンサービスの一環。いよいよ大器が実戦デビューする。
沖縄・宜野座の地にコロナ禍で足を運べない虎党へ、矢野監督から粋なプレゼントが用意された。４日の紅白戦でＤ１位・佐藤輝のスタメン出場が決定。しかも、任せる打順は中軸ではなく「１番」だ。
「（期待の高い西）純矢も後から投げさせるより、最初から投げさせる方がいいと思うし。そういうところでは…（佐藤輝は）１番で。ファンの方も見たいやろうし」
２０２１年の矢野虎の初陣はまさに期待のＤ１位の顔見世興行となる。前日２日に宜野座日本人“最長不倒”の推定１４５メートル弾をかっ飛ばした長打力を披露するもよし。先発する左翼の守備で見せ場を作るもよし。指揮官のファンサービスの思いが詰まったサプライズ采配だ。
佐藤輝の持ち前の勝負強さは、デビュー戦前日からいかんなく発揮された。この日の練習開始前。同じく「１番・左翼」でスタメン出場する高山とのじゃんけんに見事勝利。井上ヘッドコーチに促された、自軍にホームチームの権利をゲットできるかどうかの一戦をきっちりと制して練習に臨んでいた。
フリー打撃でも快音を響かせ、１１１スイングで７発をスタンドへほうり込んだ。午後の特守では外野全てのポジションで打球を受けて準備は万端。矢野監督は「ネタ的には…高山、佐藤輝を１番。１番でいこうかなと。他の打順で並べるよりその方が（気持ちが）入るじゃん」と、佐藤輝と高山のライバル心もあおった。
背番号８は「しっかり打って、アピールしたいと思います。１番打席が回ってくると思うので、チャンスは多い。でも一本、一本集中してしっかりやっていきたいと思います」と気合。虎党が一挙手一投足に夢と希望を抱く男が、いよいよベールを脱ぐ。（新里公章）
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