自民党は役員連絡会や総務会を念頭に、メンバーではない女性議員をオブザーバー(傍聴者)として出席させる検討を始めた。ただ、正式な発言権は与えられない見通しで、女性団体からは「男女共同参画の本質を理解していない」と批判の声が上がる。インターネット上でも「女性はわきまえろということか」など反発が広がっている。 (木谷孝洋、柚木まり)
自民党の二階俊博幹事長は16日の党役員連絡会で、党内の幹部会合にそれぞれ女性議員を5人程度、出席させる考えを示した。その後の記者会見では、提案の狙いを「どういう議論がなされているかを十分了解してもらうことが大事だから、ご覧に入れようということだ」と説明した。
佐藤勉総務会長も会見で、二階氏から「総務会にも毎回、女性議員にオブザーバー出席みたいな形で(呼んで)雰囲気を味わってもらってください」と指示されたと明らかにした。
こうした対応は、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言を踏まえ、党が多様性を尊重しているとアピールする狙いがあるとみられる。
下村博文政調会長は17日の記者会見で「全くの傍聴ではなく、意見があれば指名されると思う」と語ったが、発言がオブザーバーのものとされてしまえば、意見を直接、党運営に反映させることは難しい。
自民党のベテラン女性議員は「男性だけの密室になるよりも、女性の目があれば怖い」と話すが、女性の政治参加を支援する市川房枝記念会の久保公子理事長は「女性がその場にいるという形を整えればいいわけではない。二階氏は問題の本質を分かっていない」と指摘。「自民党のジェンダー平等の意識の遅れが表れている」とした。
全国組織の女性団体「ふぇみん婦人民主クラブ」の片岡栄子・共同代表は「オブザーバー参加といったお茶を濁すような形ではなく、女性がもっと意思決定に参加できるようにすべきだ」と主張。根本的な解決には選挙の候補者の一定比率を女性にするクオータ制などを採用して女性議員の数を増やす必要があると指摘する。
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