ほの暗い旧茶工場。日の光を浴びたキリストやこま犬、モザイク画が淡く浮かび上がる。ステンドグラス作家藤原俊さん(42)=静岡市葵区=が、図案を基に切り出した色ガラスに、鉛製の骨組みを固定していく。「千年以上前から続く技法。最後は刻々と移ろう自然光に委ねて完成する」

3年前から工房を構える小瀬戸地区は「祖父母が暮らしていた場所。週末に来ては一日中、山や川で遊んだ」。やがて新東名高速道路の建設工事が進み、慣れ親しんだ里山の姿が失われていく。
「自然の尊さを伝える側に回りたい」と、4年間の浪人生活をへて東京芸術大へ。油彩を学ぶなか、ステンドグラスの見習いでもあったフランス人画家ジョルジュ・ルオーの重厚さに内なる光を感じた。
ステンドグラスは西洋の教会文化に根ざし、荘厳なイメージが先行する。「日本の風土、日本人の感性になじむものを」。大学院時代から追い求めるうち、同郷で戦前に活躍した小川三知の、外観を借景として四季を映しだす手法に引かれた。都内から静岡に戻り、自然との一体感を一層意識する。ガラスに直接描く「焼き絵付け技法」では、茶の木や魚、富士山などを自然物の美しさと、色ガラスの濃淡や質感を調和させていく。
現在、同市内の私立学校から依頼を受けた大作の創作にも向き合う。「ステンドグラスは建物があってこそ。空間を作り上げていくことにやりがいを感じる」。人々の日常に寄り添う芸術の形を模索する。
(文化生活部・岡本妙)
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