オリンピック出場が懸かった大一番で日本記録を更新
「僕は周りから親しまれる選手になりたいと思っています。金メダルを取ったとき、『おめでとう』と言われないと寂しいじゃないですか。応援してもらえるように、人間性も養っていきたいです」 【動画】1分間のアニメーションで競泳を紹介 競泳男子200m自由形、4×200mリレーの2種目で東京2020オリンピック出場が内定(4×100mリレーも内定していたが、後に辞退)している松元克央は、アスリートとして目指す理想像について、そう語った。 現在ノリに乗っている24歳は、代表選考会を兼ねた4月の日本選手権において、200m自由形で1分44秒65をマークし、自身が保持する日本記録を0秒48更新。これはリオデジャネイロ2016大会の優勝タイムと同記録で、2019年の世界選手権のそれを0秒28上回る。まさに金メダル級の泳ぎを、オリンピック出場を懸けた大一番で披露したのだ。 名前は「かつひろ」と読むが、愛称は「カツオ」。レース後のインタビューで「今日は何カツオ?」という質問に対し、そのときの内容や結果を踏まえ、「~カツオ」となぞらえるのはもはや恒例のやり取りだ。ちなみに前述の日本選手権で日本新記録を出したレース後の答えは「新カツオ」だった。 「日本選手権で1分44秒台を出せなければ、オリンピックでの金メダルは現実味がないと思っています」 そう決意を示したのは、大会の1週間ほど前に実施したインタビューでのこと。「これで記録を出せなかったら仕方ないというくらいの練習は積んできたので、出ると思っています」と語る言葉からは、確たる自信がうかがえた。キャラクターもさることながら、有言実行の記録更新は今夏の飛躍に大きな期待を抱かせる。
松元を成長させたターニングポイント
2019年の世界選手権では200m自由形で銀メダルを獲得するなど、この数年の成長は著しい。しかし、そこに至るまでに競技者としての運命を変えたターニングポイントが存在する。 大学1年時の2015年夏、インカレの200mで1分51秒54の8位に終わるなど松元のタイムは伸び悩んでいたが、それに伴い練習への取り組み方を見直した。 「このころは、すべての試合においてスタート台に立つと、ビビッていました。なんでこんなに自信が持てないのか。そう考えたときに、ベストが出ないとおかしいと感じるくらい練習すれば、ビビらなくなるんじゃないかと思ったんです。それからは自分が頑張ったと思うだけじゃなく、周りからも『頑張ったね』と言ってもらえるくらい練習するようになりました」 練習に取り組む姿勢を変えた低迷期が、競技者として最初のターニングポイントであれば、そのあとに訪れる名将との出会いは、松元の飛躍を決定づける運命的な出来事となる。ソウル1988大会の男子100m背泳ぎ金メダリストである鈴木大地さんらを育てた鈴木陽二コーチに、2017年から師事することになったのだ。質・量とも厳しい練習に定評がある鈴木コーチのメニューに松元も、最初は面食らった。 「『こんなのできるわけない』と思いました(笑)。でも今ではそれが当たり前で、きついメニューをもらっても『今日はこれか』という感覚になっていますし、あとはここからさらに自分をどう追い込もうかなと考えているくらいです」 今まであり得ないと思っていたことが普通になるのは、文字通りレベルアップを意味する。周囲が一目置くくらい練習するようになった選手が、日本一厳しい練習を課すことで知られる名将に師事したのだから、この数年間の急成長は言わば必然なのかもしれない。
からの記事と詳細 ( 競泳・松元克央、親しまれる「カツオ」の魅力 200m自由形で恩師に捧ぐ金メダルを(TOKYO 2020) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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