23日開幕の東京オリンピック(五輪)の観客の扱いについて、政府、東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の5者は8日、代表者会議を都内で開き、4度目の緊急事態宣言が出る都内の会場は無観客とすることを決めた。引き続いて開いた関係自治体との協議会で、まん延防止等重点措置が適用されている神奈川、千葉、埼玉の会場の無観客も決まった。
全42会場のうち34会場が1都3県にある。収容人数の大小や競技時間の昼夜を問わず一律に無観客とする。1年前、安倍晋三前首相が大会延期を決める際に表明した「完全な形での開催」はかなわず、緊急事態宣言下で開催し、大半の会場が無観客となる異例の五輪となる。
資格認定証が発行されているIOC関係者らは入場できるが、組織委が「真に必要な人数」を精査する。丸川珠代五輪相は「具体的な数字を議論したわけではない」と述べた。
宣言や重点措置の対象ではない宮城、福島、静岡、茨城の4県は有観客となった。宮城、福島、静岡は「収容人数の50%か1万人の少ない方」、茨城は学校連携の児童・生徒らのみ入れる。北海道は引き続き調整する。
首都圏会場が無観客となることで、パラリンピックを含めて900億円を見込んでいたチケット収入の大半はなくなり、組織委は赤字になる可能性が高い。招致時の立候補ファイルではIOCに負担義務がなく、都や国と協議する方針だ。
開幕まで2週間に迫る中、組織委は会場での飲食販売や、ボランティアや警備のシフトの再調整などを強いられることになる。
会議には丸川五輪相、組織委の橋本聖子会長が出席。小池百合子・都知事、この日来日したIOCのトーマス・バッハ、IPCのアンドリュー・パーソンズの両会長はオンラインで参加した。
新型コロナウイルスの影響で、5者は3月、海外一般客の受け入れを断念。菅義偉首相は有観客にこだわり、5者は6月21日の前回会議で、重点措置が7月11日までに解除されることを前提に「収容人数の50%までで、上限1万人」とすることを決めた。同時に、緊急事態宣言が出るか、重点措置が延長された場合は「無観客も含めた対応を基本とする」ことでも合意していた。
パラリンピックの観客は「7月16日までに決める」としていた方針を変え、五輪閉幕後に決める。(前田大輔)
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1都3県以外の会場
【北海道】
・札幌ドーム(サッカー)
・大通公園(マラソン・競歩発着点。チケット未発売)
【宮城県】
・宮城スタジアム(サッカー)
【福島県】
・福島あづま球場(野球・ソフトボール)
【茨城県】
・カシマスタジアム(サッカー)
【静岡県】
・伊豆ベロドローム(自転車トラック)
・伊豆MTBコース(自転車MTB)
・富士スピードウェイ(自転車ロード)
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