横浜FCの元日本代表MF中村俊輔(43)が、来季の契約更新に合意し、正式にサインしたことが21日、分かった。近日中にも発表される。19年シーズン以来、3年ぶりにJ2降格するクラブに、日本が誇る「俊輔」がいる。来年6月24日に44歳を迎える日本のファンタジスタが、来季も現役続行する。
引退を一転した。シーズン途中、中村は「終わり」を考えていた。「やりたいサッカーは出来た」と、漏らしたこともあった。希代のレフティーとして名をはせた時代を終焉(しゅうえん)、ユニホームを脱ぐ決意を固めていた。そんな中、ここまで支えてくれた家族が考えを変えさせてくれた。妻は「まだやれるなら、やった方がいいよ」。むしろ背中を押された。中村は「まだ出来るのかな」。「もう辞めた方がいいのでは」。熟慮の末、プロサッカー選手であることを決めた。
公私ともに仲の良い札幌MF小野伸二(42)らが現役続行を発表したことにも、刺激を受けた。中村自身、今季は42歳8カ月3日でJ1開幕最年長スタメンを飾った。その後のシーズン途中はコンディション不良もあり、試合から遠ざかる時期もあったが、シーズン終盤では途中出場ながらも“らしい”プレーでファンを魅了。得意のフリーキックを中心に、俊輔の左足が放たれる度に、ファン、サポーターの驚嘆の声がニッパツにこだました。
同じクラブに所属し、尊敬するFWカズ(三浦知良、54)の去就が不透明の中、中村俊輔の「横浜FC残留」は、ファンのみならず、日本の多くのサッカーファンにとって、明るいニュースとなる。日本が誇る天才レフティーは、まだまだ健在だ。
◆中村俊輔(なかむら・しゅんすけ)1978年(昭53)6月24日、神奈川県横浜市生まれ。横浜ジュニアユース、桐光学園を経て97年に横浜M(現横浜)に入団。02年にセリエAのレッジーナに移籍。05年からはスコットランド1部リーグのセルティックでプレー。その後、スペイン1部リーグのエスパニョールを経て、10年に横浜に復帰。17年から磐田。19年7月から横浜FC。00年と13年にJリーグMVP。日本代表として06年W杯ドイツ大会、10年南アフリカ大会に出場。国際Aマッチ通算98試合24得点。178センチ、71キロ。
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