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Wednesday, June 29, 2022

武尊が無期限休養へ K-1中村拓己プロデューサー「次の時代の格闘技ビジネスのために検証進める」 - ITmedia ビジネスオンライン

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 K-1実行委員会は6月27日、東京都内で記者会見を開いた。K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者の武尊(たける)選手が登壇し、保持していたK-1スーパー・フェザー級王座を返上。「前向きな意味で休養させていただこうと思っています」と、無期限での休養を宣言した。

武尊選手は無期限での休養を宣言した(以下クレジットのない写真はプレスリリースより)

 武尊選手は6月19日に東京ドームで開かれた「Yogibo presents THE MATCH 2022」で、キックボクシングRISEの那須川天心選手との「世紀の一戦」で判定負けを喫した。

軽量後の那須川天心選手(中央)と武尊選手。左がドリームファクトリーワールドワイド榊原信行CEO(筆者撮影)

 「東京ドームで超満員のお客さんの中で最高の相手と最高の試合をさせてもらいました。本当にこの試合を実現することができて、ああいう舞台で現役の間に最高な場所で最高な試合をさせてもらえたことを本当にファンの皆さまと関係者の皆さま、対戦相手の天心選手、僕に関わってくれた人たち全てに感謝したいなと思っています」(武尊選手)

 負けたあとにファンからかけられた言葉に関しては「あの時もらった『ありがとう』という言葉が、今までこの10年勝ち続けてきたんですけど、その時のどんなおめでとうよりもうれしかった」とコメント。「この10年間勝ち続けてきた中で僕が気付けなかったことだったり、知らなかった部分を知ることができました」と話した。

 その上で「K-1があったから僕の人生があるし、K-1がなかったら僕はこんなすてきな人生を歩めてなかったと思うので心から感謝している」とし、ベルトの返上を宣言した。

「K-1がなかったら僕はこんなすてきな人生を歩めてなかったと思うので心から感謝している」と話す武尊選手

経済効果は50億円

 6月20日に開いた記者会見の中で、サイバーエージェントの藤井琢倫執行役員はこう話した。

 「50万人以上の方にABEMAペイ・パー・ビュー(PPV、有料コンテンツに料金を支払って視聴するシステム)を購入していただいた。私の知っている限りでは、日本の格闘技史上、最も多くの皆さまに楽しんでいただけたと考えている」

 ABEMAでは一般チケットの価格を5500円に設定しており、単純計算すれば25億円以上の売り上げがあったことになる。

 同大会の会場チケット「VVIP 1列席」(300万円)は早々に完売し、大きな話題となった。観客動員数は5万6339人で、チケット売り上げは20億円にのぼっているとみられることから、総合的な経済効果は約50億円とも言われている。まさに今後の格闘技のビジネスモデルに影響を与える興行結果となった。

 K-1プロデューサーの中村拓己さんに、この大会をどう振り返っているか、今後の格闘技ビジネスへの考えを聞いた。

K-1プロデューサーの中村拓己さん(左)と武尊選手

中村プロデューサー「検証を進めたい」

――THE MATCH 2022を振り返って、どう評価していますか?

 他の格闘技団体の方々と協力して実行委員会を組織したからこそ、あれだけの規模の大会が開催できたと考えています。そして那須川天心選手と武尊選手の2人がいなければ、できなかった大会でした。

 実行委員会のメンバーの皆さまと協力し、あれだけ大きなスポーツイベントを開催できたことを本当にうれしく思っています。

――格闘技のみならず、興行全体で見ても歴史に残る大会になったと思います。今後に生かせる部分は見つかりましたか?

 PPVには、手応えを感じています。過去、東京ドームのような大会場では、ヘビー級など重量級の選手が出る大会でないと盛り上がらないと言われていた時期もありました。ですが、結果的には軽量級の試合でもここまでの成果を出せることが示せました。大事なのは「やり方」だと思います。

 この大会をきっかけとして格闘技ビジネス自体が変わっていくと感じています。K-1としては、あらためて視聴方法や大会の運営面などを振り返り、検証をしていきたいと思います。

 次の時代の格闘技ビジネスや、今後のK-1をつくるにあたり考えなければならないことは幾つもあると感じました。個人的にはいろいろなチャンスがあるという発見がありました。

――チャンスとは具体的にはどんなことですか?

 今までの格闘技ビジネスでは、例えばビッグイベントを開く際には大きな会場を借り、お客さまに多く入場してもらうのが一つのカタチでした。しかし今後の配信ビジネスを考慮した場合、会場はそこまで大きい場所である必要はないのかもしれません。試合数も今のように多く実施する必要もないのかもしれません。

 いろいろなヒントがあったと思いますので、そこはK-1として柔軟に考えながら、次の在り方を模索していきたいと考えています。

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