桜井市の大型前方後円墳「桜井茶臼山古墳」(3世紀末)について、県立橿原考古学研究所が、詳細な墳形がわかる赤色立体地図で検討した結果、墳形が従来考えられていた「
赤色立体地図は、航空レーザー測量の精密なデータを基に、地表面の起伏を赤色の濃淡で表現したコンピューターグラフィックス(CG)。桜井茶臼山古墳について今回、平面図と側面図を作成した。
その結果、前方部を真上から見ると、柄鏡のように細長い形と考えられていたが、前端部分が後に壊されて細長く見えただけで、上段の形状などから、本来は前方部が「バチ形」に広がっていたことが判明した。
後円部は3段に築かれ、各段の高さが均等になるように造られており、前方部の上面は後円部側から前端に向けて緩やかに上がっていた。こうした墳丘の特徴は箸墓古墳と同じだった。
さらに、後円部西側に地震による大規模な地滑り跡があることや、古墳の全長は200メートルと考えられていたが、それより一回り大きいこともわかった。
また、近くにある前方後円墳「メスリ山古墳」(4世紀初め)の赤色立体地図も作成。桜井茶臼山とメスリ山の両古墳は、奈良盆地東南部の
研究に加わった青木敬・国学院大教授(考古学)は「箸墓、桜井茶臼山、メスリ山という築造順がはっきりし、桜井茶臼山が箸墓の系譜に連なっていると理解できるようになった。今後、実態に近い復元案を検討していきたい」と話した。
橿考研の岡林孝作副所長は「墳丘の平面だけでなく側面も赤色立体地図で研究できたことに意義がある。従来の説の再検討が必要になり、日本での初期王陵の実態解明に近づく大きな成果だ」と強調している。
今回の成果は8月5日まで、橿原市の橿考研のアトリウム展(平日午前8時半~午後5時15分。無料)で紹介されている。
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