MLBはエンゼルス大谷翔平投手(28)の投打二刀流が話題ですが、日本のプロ野球ではヤクルト村上宗隆内野手(22)の猛打で盛り上がります。8月11日に史上最年少22歳でシーズン40号本塁打に到達。1963年王貞治、85年秋山幸二の23歳という記録を更新しました。さらに、50本の大台到達にも王手をかけました。
ちなみに、大リーグでは2007年、当時ブルワーズのプリンス・フィルダーが史上最年少23歳139日でシーズン50号に到達しました。殿堂入りウィリー・メイズ(ジャイアンツ)が持っていた24歳137日という最年少記録を更新しました。
同時に、父セシル・フィルダーと史上初の親子で年間50本塁打をマーク。1990年に父セシルは阪神から大リーグのタイガースへ移籍。入団1年目に51本塁打を放ち、ア・リーグ本塁打王に輝きました。息子のプリンスは07年に、50本塁打に加えて119打点を挙げ、史上最年少23歳で「50発&100打点」の大台をクリアしました。
村上はMLBの年少記録を上回るペースでアーチを量産しています。8月29日時点で22歳208日。26日DeNA戦では、通算150本塁打をマークし、清原和博を超える最年少到達となりました。大リーグの150号最年少到達はアルバート・プホルス(現カージナルス)の24歳212日ですから、2歳以上も若いことになります。
翌27日の同戦では、48号ソロを含む5安打4打点の固め打ち。28日の同戦でも勝ち越しの49号決勝ソロ。大リーグでの22歳シーズンの最多本塁打記録、ウラジーミル・ゲレロ(ブルージェイズ)が昨季マークした48本塁打も超えました。大リーグでもいない22歳でのシーズン50本塁打到達どころか、60発も狙える勢いです。
村上はさらに打率でも、8月20日にトップ浮上。29日現在で49本塁打、120打点、打率3割4分と打撃3部門でトップに立っています。うち本塁打と打点は独走状態ですが、首位打者争いも1歩抜け出しました。「令和初の3冠王」が現実味を帯びています。
ちなみに、大リーグではこれまで15人の3冠王が誕生しています。中でも、「球聖」タイ・カッブ(タイガース)は1909年に史上最年少の22歳で3冠王に輝きました。果たして、その最年少記録にも並べるでしょうか。
最近は米メディアでも村上の特集記事が組まれ、今季メジャー本塁打トップを独走するアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と比較されました。将来的なメジャー待望論が持ち上がるほど、海の向こうからも熱視線が注がれる「村神様」のバットから、目が離せません。(大リーグ研究家・福島良一)
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