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Sunday, August 7, 2022

【番記者の視点】優勝を“目指さない”柏が暫定2位に浮上 昨季のJ1残留争いの経験が形に… - スポーツ報知

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◆明治安田生命J1リーグ▽第24節 京都1―2柏(6日・サンガS)

 強いチームの勝ち方で、柏が暫定2位に浮上した。1―1の後半終了間際、FW武藤雄樹がスルーパスに抜け出し、ペナルティーエリア右から右足を一振り。ボールはGKの股下を通って、ゴール左に決まった。ラストプレーで劇的な勝利。敵地に駆けつけたサポーターとともに喜ぶ選手たちの熱気や興奮が、スタジアム4階の記者席まで伝わってきた。

 これまで、柏の他にFC東京、湘南、名古屋、なでしこジャパンの担当として、優勝争いやタイトル獲得を何度か見届けた。誰しも「優勝したい」と言っていた。勝負をする上で、その気持ちは当たり前だと思っていたし、公言できることも、それを実行できたチームも本当にかっこいい。だが、GK佐々木雅士は「優勝は特に見えていない。一つひとつの試合で精いっぱい」だといい、武藤も「選手はそこまで考えていない。優勝したいというのは、良くも悪くも、ここまでそういう感じで戦っていない」。トップの横浜FMと勝ち点6差はあるが、同42で首位に一番近い位置となっても、柏の選手たちから「優勝」という言葉は出てこない。

 それは、昨季が苦い薬になっているからだと思う。結果は15位だったが、終盤までJ1残留争いをした。順位を気にせざるを得なくなり、他チームや何試合も先の事を考え、自信が持てずに自分たちを見失った時もあった。今季は、矢印の向きは常に自分たちにある。「笛が鳴る瞬間まで、みんなが倒れるまで走り切れている」(佐々木)し、「内容で圧倒しているかというと、五分五分の試合を何とか勝利に持ち込んでいる。勝っても、もっともっと勝とうという欲求を感じる」(武藤)。目の前の1試合に全力投球してきた積み重ねであり、選手からは4連勝という数字以上に、この“1勝”に対しての喜びを感じる。

 残り10試合。ネルシーニョ監督は「意識するのは、ホームでもアウェーでも勝ち点を積むこと。そこにこだわりたい」と、今まで通りを強調する。常勝軍団でもなく、過度な重圧もない今年の柏には、最後まで自分たちの形を貫いてほしい。(柏担当・小又 風花)

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