兵庫県小野市垂井町の空き地に、花びらの形や色に突然変異が起きる「変化アサガオ」が咲いている。10年以上前から変化アサガオを育てている同町の木下武夫さん(78)が4月ごろから地道に種を植え続け、今夏も生育に成功した。金網に巻き付いたつるから、濃淡が美しい紫や青色のアサガオが咲いている。(杉山雅崇)
木下さんは2009年、埼玉県の理化学研究所で「重イオンビーム」を照射された変化アサガオの種を手に入れ、栽培を始めた。以後、花を咲かせるたびに採取した種を保管し、毎年数万粒を収穫している。
17年からは、変化アサガオの種を市内の保育所に寄贈。保育士らの手によって育てられた美しいアサガオが、保育所で園児らを出迎えている。
栽培拠点の空き地は、土地を所有する建設会社の社長が「アサガオをたくさん育ててほしい」と、フェンスを使って木下さんのために整備した。
日の出を迎えると、木下さんが丹精したアサガオが次々に咲き始める。グレーに近い薄紫色や澄んだ紫色、白と紫色のグラデーションなど、普段見ることができないアサガオが道行く人を楽しませている。木下さんは「まだ名前も付いていないアサガオも咲いている。多くの人に見てもらって、名付け親になってくれたら」と話している。
見学可。見頃は午前5時半~同7時半ごろ。
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