真のスーパーカーだった
今ではほとんどのAMGモデルに備わっているせいでちょっとありがたみが薄れてしまったけれど、縦ルーバーが並んだいわゆる“パナメリカーナグリル”はそもそもSLのものだった。かつてのミッレミリアなどと同様の長距離高速公道レース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」を制した「300SL」に由来する特別なモチーフである。
300SLレーシングカーが初出場初優勝(しかも1-2フィニッシュ)したのは1952年、ということはちょうど70年前である。ロードカーとしての300SLが誕生するのは実はその後の1954年のこと。しかしながら翌年にはルマンでの大惨事をきっかけにメルセデスはモータースポーツ活動から撤退し、その後長い間サーキットとはかかわりを持たなかった。という歴史を繰り返したのは、SLがどれほど特別なクルマだったかと言いたいがためである。
何度も例に出して申し訳ないような気がするが、観音開きドアの初代「クラウン」のデビューは1955年である。同じ年のミッレミリアでスターリング・モスとデニス・ジェンキンソンの乗る「300SLR」(こちらは直列8気筒の本物のレーシングカーだが)は1000マイルの平均速度ほぼ160km/hという信じられない記録で優勝している。当時の事情を肌で知る大先輩たちにとっては夢のスポーツカーどころではなく、「まるで宇宙船のようなもの」がSLだったのである。
とはいえ、昭和の半ば以降に生まれた者にしてみれば、300SLはクラシックカー以外の何物でもなく、メルセデスのフラッグシップモデルとして多少なりとも身近に感じられるのは電動ソフトトップを採用した4代目のR129型(1989年)以降のモデルだろう。続く5代目からはバリオルーフ(電動格納式ハードトップ)に変更されていたが、この7世代目で再びソフトトップに戻されたことになる。
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