(CNN) 灼熱(しゃくねつ)のサウジアラビアの砂漠で、ともすればその姿は蜃気楼(しんきろう)として片付けられてしまうかもしれない。しかし、写真家のハレド・アネージ氏は自らの写真によって、本当に巨大な魚の形をした岩が砂の中から現れたことを証明した。
同氏が捉えた珍しい構造物の写真は、ドローン(無人機)を使って同国アルウラー県にある考古学上の遺跡を記録していた際に撮影された。この地域はヨルダンのペトラに匹敵する古代の構造物があることで知られる。
「周辺地域を記録していると、山の風景が目の前に現れた。その形状は砂漠の真ん中にいる1匹の魚を思わせた」。アネージ氏はCNNの取材に電子メールでそう語った。
当該の岩石層に出会ったのは恐らく自分が初めてではないとしつつ、空撮によってその興味深い形状に気が付いた人はこれまでいなかっただろうとアネージ氏は確信する。
「写真家の目には他の人々が見えていないものが見えている」と話す同氏は、この岩を「デザート・フィッシュ(砂漠の魚)」と名付けた。
今年6月に撮影されたドローン動画に映る岩石層は、金色の砂の中を泳ぐ水生生物を思わせる。ちょうど背びれのようにそそり立つ構造物は、サメが獲物を追って深い海の中から浮かび上がってきたようにも見える。
ソーシャルメディアで共有された動画を見たユーザーの中には、本物の魚が数百万年前に化石になったものだと指摘する声もあったが、アネージ氏は「そうではない」と説明。これはあくまでも「砂岩」であり、多くの要因が重なって形成されたと述べた。
7月に公開されて以降、当該の動画は2万9000回以上閲覧されている。
アネージ氏は現在、アルウラー県とその見事な景色を紹介する自身のユーチューブチャンネルを立ち上げようとしている。約2万2500平方キロメートルの面積を持つ同県は、世界でも指折りの砂漠の絶景が広がることで知られる。
そこには風などの自然の力にさらされ、ゾウのような形状になった岩もある。
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