◇19日 大相撲初場所12日目(両国国技館)
結びの一番で貴景勝が霧馬山のすくい投げに敗れ、3敗となった。私は2日前から流れは貴景勝にありと断言していたが、それからまさかの2連敗。これは私にとって信じられないほどの驚きである。
それも、負け方があまりにもひどい。10日目は明生に攻められ、苦し紛れの小手投げで辛勝したが、思い返すとあの頃から貴景勝の相撲に狂いが出てきたのだろうか。舞の海君が一昨日あたりから貴景勝の相撲に警鐘を鳴らしていたのが、この結果となったのは確かである。
私は11日目の負け方を見てもまだ楽観していたが、この日の相撲で私の見る目のなさにやっと気がついた。実に情けない。いったい何年、相撲を見てきたのか。自分を恥じるばかりである。まさか舞の海にしてやられるとは余計に情けない。解説者失格である。明日から、どの面下げて解説すれば良いのか面目ない限りであります。
これからは、解説はしても予想はしません。舞の海君のしてやったり、得意満面の顔がテレビでアップされなかったのは救いだったが、声はいかにも勝ち誇っていたように聞こえたのは私のひがみ根性だろうか。それにしても悔しい。今日はこれ以上、続けられそうもありません。後は結果だけお伝えします。
豊昇龍は必死に頑張ったが竜電にうまく取られた。あれ以上残すと、またけがが重くなる。まだ足の甲が腫れている。何とかあと1勝すれば上等だ。若隆景は今場所一の内容だった。貴景勝もボロが出てきたので、まだ9勝は望める。
阿武咲の相撲は見事のひと言。気合が入っている。13日目は貴景勝と対戦するが、阿武咲の方が勝算が高いと思われる。言っときますが、これは予想ではありません。私の個人的な勘とでも言っておきます。
それにしても正代は妙な力士です。大関復帰が絶望と決まったら、いきなり相撲が良くなった。まるで大関に上がったころの相撲である。応援するファンの人も、実は正代のこの変なところが好きなんでしょう。昔からあばたもえくぼと言いますから、何をしてもかわいくて怒れないものなのでしょう。
それでは原稿を送ってメシにします。ごちそうがたくさんあって、何から食べようか迷っています。インフルエンザがはやっています。皆さんも注意してください。 (元横綱)
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