兵庫県南あわじ市教育委員会は11日、明治時代に建てられた同市福良丙の門崎(とざき)砲台跡で、大砲を守るドーム形の構造物が見つかったと発表した。穹窖(きゅうこう)砲台と呼ばれる様式で、奥行きは約14メートルあり同式では国内最大級という。明治期は屋根のない露天式が一般的で、当時では異例で貴重という。
市教委によると、門崎砲台は淡路島から鳴門海峡に向けて突き出た岬先端の斜面にある。記録では1899(明治32)年に陸軍が、敵国軍艦の瀬戸内海への侵入を防ぐために口径24センチの大砲2門などを設置したとされる。岬周辺の他の3カ所の砲台などとともに鳴門要塞(ようさい)を構成していた。
しかし実戦で使われることはなかったとみられ、戦後に砲台の大部分は埋められた。その上に道の駅うずしおの建物や灯台が建築され、砲台の詳細な構造は不明だった。
今回、道の駅うずしおの改築に伴って、市教委が3月から発掘調査を進めていた。
ドーム形の構造物は主にコンクリート製で、奥行き約14メートル、幅約13メートル、高さ約7メートル。鳴門海峡に向く南西側には射撃口がある。大砲1門を設置する造りで、同様の構造物が未発掘の状態で灯台の下にあるという。
門崎砲台は岬の先端で敵を狙いやすいが、狭小な立地で敵方の標的にもなりやすく、ドーム形の砲台になったとみられる。一方、この様式は大砲を左右に動かす角度が限定される欠点があり、敵が狭い鳴門海峡を通過する際の一撃必殺を狙ったものという。
市教委の調べでは、同式の砲…
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