11日にFIFA U-17 ワールドカップ インドネシア 2023の初戦を迎えるU-17日本代表。“ジーコジャパン”が挑んだ2006年ドイツワールドカップの年以降に生まれた選手たちで構成されるチームから、注目の5名を紹介してみたい。
DF3 小杉啓太
生年月日:2006年3月18日
身長・体重:168cm・69kg
所属クラブ:湘南ベルマーレU-18
まずはチームの看板となるキャプテンのDF小杉啓太だ。主に左サイドバック(たまにセンターバック)を務めるDFの最大の武器は、森山佳郎監督からも「鉄人」と称されるタフネスと、「そこは自信を持っている」と自ら語る地上戦の1対1の対応能力だ。予選を兼ねて行われたAFC U17アジアカップでは唯一の全試合先発出場。「湘南なので大丈夫です」と不敵に語りつつ、その言葉どおりにフィジカル・メンタルの両面で落ちることなく戦い抜き、大会の優勝に大きく貢献。球際の攻防を含めたボール奪取のセンスの良さも光っていた。
また大会へ入るに際して森山監督がミーティングの量を減らしていく中で、その意図を察して選手間での話し合いを主導してチームをまとめるなど、ピッチ外でも大きく貢献。「自然なリーダーシップが生まれてくれば」という森山監督の密かな期待にしっかり応えてみせた。アジアでの表のMVPは攻撃で華やかな活躍を見せたMF名和田我空だが、裏のMVPはピッチ外でチームをまとめた貢献度を含め、この小杉の名前が挙がる。DFとしては小柄な部類だけに、世界大会でどこまで戦えるかは本人にとっても大きな挑戦となる。ただ、タフな「鉄人」が試合の最後までハードに戦い抜いてくれることは間違いないだろう。
FW14 名和田我空
生年月日:2006年7月29日
身長・体重:171cm・62kg
所属クラブ:神村学園高等部
続いて紹介するのは、「表のMVP」である名和田だ。本人が自信を持つキックの質を筆頭に多彩なスキルを持ち、ゴール前で豊富なアイディアを駆使して崩しに関わる、いわゆる「10番」タイプ。世界的に少なくなっている稀少なFKキッカーでもある。
そうした技術面に加え、強い個性を感じるのはメンタリティだ。常に前向きに取り組み、成長への意欲が非常に高く、そして誰よりも負けず嫌い。MVPになったU17アジアカップでは「人生で初めて」という腹痛に苦しんで出遅れたが、「絶対に取り戻します!」という言葉どおり、大会後半へ尻上がりに状態を上げてハイパフォーマンスを披露。「誰よりも点を取って勝利に貢献する」という言葉どおり、得点王もかっさらっていった。
FW9 道脇豊
生年月日:2006年4月5日
身長・体重:186cm・70kg
所属クラブ:ロアッソ熊本
その名和田と共に前線の軸を担い、このチームで最もトップチームでの実績が豊富なのが、センターFWの道脇豊だ。186cmの高さを活かしたヘディングも一つの武器だが、裏へ飛び出していくスピードや両足からくり出される強烈なシュートも大きな特長となる。
ただ、最大の武器はそうした部分よりも吸収力の高さにある。「どういう形でも点を取れるようになりたい」と語るように、代表の助っ人コーチとして参戦した、かつてジーコジャパンのFWだった大黒将志氏に教えを請うて、言われたことをどん欲に実践。U17アジアカップを映像で観た大黒氏が逆にビックリしたと言ってくるほど、忠実に教えを反映したクロスに対する動き出しなどで活躍を見せた。今大会は鎖骨骨折から復帰して直後に迎えるため、コンディション面を不安視する声もあるが、本人の手応えは現時点で既に十分。「ゴールという結果を出して自分の力を証明したい」と意気込む。
MF10 佐藤龍之介
生年月日: 2006年10月16日
身長・体重:168cm・63kg
所属クラブ:FC東京
また10番を背負うMF佐藤龍之介も攻撃の中核として期待される選手だ。自在なボールワークに加え、運動量も豊富。FC東京トップチームの試合やトレーニングにも断続的に参加しているが、そこでも「走り」に関する数値は目立っているそうで、動きの絶対量も多い。
もちろん、その上で本領は「量」ではなく「質」の部分にある。森山監督が高く評価するのは戦術的なセンスの良さ。相手DFの嫌がる位置に立ち、あるいは動き出し、攻撃に変化を与える。いざボールを持てば、ドリブルではがす、鋭いラストパスを通すといった技術的なプレーで敵の守備陣を突き崩す。本人はAFC U17アジアカップを終えて「自分のプレーには満足していない」と強調した。それは「ゴールが少なかったから」。ボールを受けてさばく、アシストするといった仕事だけでなく、「大事な場面で点を取れる選手になる」ことが目標。すべてが大事な試合になる世界大会は、その本領を発揮する場と言えるかもしれない。
MF7 中島洋太朗
生年月日:2006年4月22日
身長・体重:174cm・69kg
所属クラブ:サンフレッチェ広島F.Cユース
最後の一人は、大器の片鱗をのぞかせるサンフレッチェ広島ユースのMF中島洋太朗だ。父は仙台、千葉、広島などで大型MF、DFとして活躍した中島浩司さんだが、「プレーはそんなに似ていないと言われる」と本人が語るように、選手としてのタイプは少し違う(ただ、面影はある)。
ゴールに近い位置やサイドハーフを任されることもあるが、得意とするポジションは中盤の中央。「そこは自分でも負けない自信がある」と語るスルーパスが最大の武器で、走り出す味方へピタリと通すパスセンスは天下一品。AFC U17アジアカップでも見事なアシストを決めている。
かつてはプレー強度の部分に課題もあったが、「自分でもこの代表を通じてかなり成長した感覚がある」と語るように、課題だった守備でのタフさも増してきた。ボールを持ってのクリエイティブな仕事と、相手ボールにおけるタフなプレーの両面を求められるのが現代のセントラルMF。あらためてそのポテンシャルが問われる大会となるだろう。
当然ながら、ここで挙げた5人はほんの一例に過ぎず、今回のU-17日本代表には他にも多数のタレントがひしめく。日本サッカーの未来を彩る彼らの活躍を観ておいて損はない。
取材・文=川端暁彦
U-17日本代表 試合日程
【グループD・第1節】 11月11日(土)日本時間18時〜
vsU-17ポーランド代表(BSフジ/J SPORTS 2・J SPORTSオンデマンド)
【グループD・第2節】 11月14日(火)日本時間21時〜
vsU-17アルゼンチン代表(BSフジ/J SPORTS 2・J SPORTSオンデマンド)
【グループD・第3節】 11月17日(金)日本時間18時〜
vsU-17セネガル代表(BSフジ/J SPORTS 2・J SPORTSオンデマンド)
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