名工大の大学院生らが制作した保育園の建築模型(豊橋市提供)
老朽化した豊橋市立の新吉(しんよし)保育園を移転して整備する新たな園舎の設計方針に、学生のアイデアを採用するコンペティションで実施設計が完了し、間もなく着工を迎える。公共施設整備に学生が関わる全国的にもまれな取り組みで、若い感性で練り上げた建築計画案がついに形になる。
市が初開催した「とよはし公共建築学生チャレンジコンペティション」には、昨年4~6月の募集期間に建築学を専攻する全国の大学生など114組から提案が寄せられた。
審査を通過した4組が計画案を具体化する過程に進み、実際に保育園などを見学したり、保育士と意見交換したりして、その成果をまとめた計画案を昨年10月の報告会で発表。
専門家による検討の結果、中庭などがある設計アイデアを考えた名古屋工業大学の大学院生3人のグループが選ばれた。
院生らは、建築事務所で補助スタッフとして実務に携わった。保育士や調理員との打ち合わせを計17回重ね、アドバイザーで世界的な建築家の手塚貴晴・東京都市大教授から助言を受けるなどして、今年9月に実施設計を終えた。
中山朋紀さん(2年)は「日々ものすごいスピードで変化する図面を理解するのに必死だった」、原希望(のぞみ)さん(同)は「大学の設計課題とは異なり、一つ一つの選択が責任あるものだった」と振り返った。永井里奈さん(1年)は「地域や人に長く愛されていくものになってほしい」と願いを込めた。
市は、市議会での承認を経て年明けに新園舎の工事に着手する。2025年1月の完成を見込んでいる。
建築系の学生にとっても、なじみの薄い公共建築のコンペという珍しい試みを通じて、その「魅力やプロセスをPRできた」と市建築課の加藤宣隆課長は手応えを語った。「活用できる有効なアイデアや発想があることに感心した」と学生のレベルの高さを称賛した。
2023/12/09 のニュース
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