米国の経済専門チャンネルCNBCが毎年選出する、注目すべき未上場の新興企業を集めた「破壊的企業50(Disruptor 50)」。業界の常識を塗り替える“破壊者”として取り上げられた企業は、どんなビジネスを手掛けているのか。この連載では選出された企業の事業内容や革新的な点を紹介していく。
広大な土地に豊かな水資源を必要とする農業。大地から栽培された野菜は美味しく、産地にこだわった野菜は人気だ。一方で、これまでの農業は天候に左右されやすく、多くの水資源や肥料を使わなくてはならない。そういったこれまでの農業の形を大きく変えようとしているのが、バワリーだ。都市の高層ビルのなかで野菜や果物を生産するバワリーは、水耕栽培などの装置を垂直方向に積み重ねて野菜や果物などを生産する「垂直農業」をおこない、LEDライトとロボット、マシーンラーニング技術を使ってより効率的に農作物を育てている。気温が管理された「農場」では殺虫剤も必要なく、95%もの水も節約ができる。
2015年に創業したバワリーは、食料のサプライチェーンを変える新しい近代型の植物工場の一つとして注目を集めている。2022年には、かつて鉄鋼の生産地だった米国ペンシルベニア州のベツレヘムに先進的な植物工場を建設した。この植物工場はすべて再生可能エネルギーでまかなわれ、年間2000万ガロンもの水を節約できるという。
植物工場への注目は高く、、2021年にはフィデリティ投信などから3億2500万ドル(約503億円)を、2022年には投資会社KKRから1億5000万ドル(約232億円)を調達した。一方、垂直農業はお金がかかる事業で、調達資金はまだ充分とは言えない。高金利な経済環境では新興企業に資金が回ってきづらい状況のなか、実際のところ同業各社は閉鎖が続いている。
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