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Friday, March 27, 2020

「トップが集まり戦える形に」 今治造船とJMUが資本提携 - 日本経済新聞

グローバル競争に戦える体制を整える

グローバル競争に戦える体制を整える

国内造船首位の今治造船(愛媛県今治市)と2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)は27日、今治造船がJMUに3割を出資する資本業務提携を発表した。10月にも合弁の営業・設計会社を設立する。今治造船の檜垣幸人社長、JMUの千葉光太郎社長の一問一答は以下の通り。

――資本提携に踏み込んだ背景は。

檜垣社長「韓国、中国勢との激しい競争にさらされ、撤退する会社が出てきている。このまま造船業界が収縮していくのではないかと危惧している。ニッポンの造船産業を守るという同じ志を持つ企業として一緒に話すようになった。日本でそれを目指すのはこの2社しかいないと考えた」

千葉社長「それが1番重要だ。JMUは商船と艦船、海洋エンジニアリングの3つを持つ。商船部門はマーケットが厳しいので、ここは今治造船と組むのが『ベストでマスト』と考えた」

――これから再編を主導し「オールジャパン」に発展させる構想はあるのか。

檜垣社長「中国や韓国では再編が進んでおり、グローバルの相手に打ち勝つ必要があるという共通認識で新会社の設立にいたった。オールジャパンについては現状で可能性は否定しないが、具体的にはまだ話しはきていない」

千葉社長「今治造船は規模と販売力が強い。我々の人材や技術を融合させれば非常に強い会社になる。ゆくゆくはオールジャパンになるのかもしれないが、まずは2社で進めていく」

――2社のシェアをあわせても、中国・韓国勢の規模に圧倒されている。

檜垣社長「2019年の実績だと両社で日本の(造船の建造量)シェアは50%になる。世界シェアでは12%なのでまだまだだが、造船所の実力は規模だけではない。業務提携は中韓に対抗する『特効薬』ではないが、ニッポンに造船業界を残すために、設計のリードタイムを短縮する。生産の合理化を通じて、いい品質の船を誰よりも早く造る。最新鋭の船を早く供給できるスピード感に期待している。コンテナ船では近ごろ10隻単位のロット発注もある。建造機能をシェアリングしながら、ロット発注にも対応できるようにする」

――経営統合に発展するのか。両社の造船所の統廃合はどう考えるのか。

檜垣社長「現時点では統合と合併は考えていない。事業所の統廃合については、(受注残が)2年近くあるから考えていない。2年を切ると新規設計時間がかかるので考慮しないといけない」

千葉社長「事業所の統廃合はそれぞれの会社が単独に生産性の向上も含めて検討する。経営は独立する。JMUとして考えられることはすべてやるが、現時点では決まったものはない」

――中韓勢に対してスピード感が欠ける。

檜垣社長「これまで、そこまでは考えていなかった。もともと我々は、経営危機となったところに対して100%子会社化する『救済型』の買収が多かったため、今回のような出資は初めてだ」

「生き方は別々でも、どこかで共通点がある相手。M&A(合併・買収)は弱者と強者が決まってしまうが、アライアンスはそうではない。即効で効果が見込める。工場を閉める、閉めないではなく、自分の工場を知ったうえで、営業を変える。我々は10工場を持つため、どのように筋肉質にするか考える。新造が厳しくても、いろいろな事を考えるのが必要だ。規模は追わず、統合は考えていない」

千葉社長「JMUは2回の統合を重ねてきた。統合には1~2年がかかる。提携効果をスピーディーに出すには資本業務提携が早いだろう。(交渉開始から)1年かからずにここまで来ているのは狙い通りだ」

――新会社「日本シップヤード」は液化天然ガス(LNG)運搬船の提携を除いている。

檜垣社長「三菱重工業とLNG船の共同出資会社『MI LNG』を設立しているので、今回の提携からは外している。今治造船としては引き続きLNGの受注も視野に入れている」

千葉社長「JMUは当面、LNG船の建造計画はない。ライセンスは持っているので、建造ノウハウは維持していきたい」

――今治造船は三菱重工業とのアライアンスがあるなかで、JMUを選んだ理由は。

檜垣社長「LNG船の共同出資会社など含め長い付き合いがあるが、一般商船はJMUとの相乗効果がある。三菱重工業はLNG船や液化石油ガス(LPG)船、フェリーなどが多い。一方、JMUは似た船をつくっている。(三菱重工との)『MI LNG』は今後も活動していくし、解散はわたしどもからは考えていない」

――受注の振り分け方はどのように決めるのか。

檜垣社長「これについては1番協議が長かった。優先すべき6項目を決めて、各社の船台の状況や顧客の希望など含めて協議する。各社の船台の状況があるが、1~2年運用してだめなら改訂する」

――新型コロナウイルスの影響は。

檜垣社長「(受注は)あまり決まらず、数隻ちらほらある程度。特に欧州の顧客は事務所にも来られず、設計の打ち合わせもままならない。だが、こういう時期は慌てなくてもいい。収束して物流と市場が戻り、商談ができればと思っている。あえて受注獲得には走っていないし、引き合いすらもない」

千葉社長「顧客は日本国内が多いが、継続して交渉しているので、すぐにはなかなか決まらない。継続して話をさせてもらっている」

――競争力をどのように高めるか。

千葉社長「競争力というのは技術力がベースになっている。技術力がなければ、戦うスタートラインに立てない。生産性、マーケティング力、販売力、調達力のトップが集まって、日本の中で戦える形にしたい。それらが今回の提携で補われる」

檜垣社長「日本は図面が完成しないと『できます』と言えず、確認してから受注するためレスポンスが遅いと言われることがある。それが速くなる。半歩でも先に進む。中国・韓国に負けている、というが、彼らも大赤字を出している。船価で負けていることはあるが、コストは負けてないと信念を持っていえる。これだけのレベルで瀬戸内海のサプライチェーンを構築し、取引先の95%が日本にあるなど信用力ある。これが100年以上の歴史をもった日本の造船業界の強さだ」

「我々のファイナンススキームで受注できてきた部分もある。地元の『愛媛船主軍団』もあり、地元の連合の強さを感じる」

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