約1500万円もの価値がある宝飾品のサンゴが、堺市の骨董(こっとう)品店から白昼堂々と盗まれた。大阪府警は2月、窃盗容疑で男4人を逮捕したが、サンゴはいまだに発見されておらず、すでに海外に転売された可能性がある。いわゆるサンゴ礁とは形成される経過から価値まで大きく異なる宝飾品の宝石サンゴ。窃盗団のターゲットになった背景には、中国をはじめとする海外富裕層からの需要の高まりがあるという。
■焦る様子なく
昨年9月5日午後4時ごろ、堺市西区の骨董品店「浦美術館」に、中年と高齢の男2人が来店した。
「査定してほしい」。2人が持ち込んできたのは「裸の大将」で知られる画家・山下清の版画。声をかけられた男性店員は、査定のため売り場フロア中央にあるカーテンで仕切られた部屋に入った。
同館の売り場は3棟あり、延べ約2千平方メートルの店内には、他にも店員が5人いた。だが版画が査定されていた約5分間、男らがいた棟の売り場付近には、店員の目が届かない空白の時間が生まれてしまった。
ここで、外から様子をうかがっていた別の男2人が店内へ。狙われたのは、観賞用に加工された天然の赤い宝石サンゴだった。1階の事務所近くで高さ約60センチのガラスケースに入れて保管されていたにもかかわらず、男たちはガラスケースを簡単に持ち上げ、周囲をうかがうことも焦る様子もなく、店外に消えていった。
■変装すらせず
同館によると、犯行の様子が店の防犯カメラに写っていたといい、同館の関係者は「男らは変装すらせず、自然体で本当に堂々としていた。接客した店員も全く不審に感じなかったようだ」と振り返る。
通報を受けた大阪府警西堺署が捜査を開始。防犯カメラ映像などから2月12日、窃盗容疑でいずれも無職の45~71歳の4人を逮捕した。しかし、容疑者宅の捜索でも、被害品のサンゴは見つからなかった。捜査関係者は「すでに海外などに高値で売られた可能性がある」とみる。
同館で取り扱っている骨董品は5~6千点あった。サンゴはその中でも高額な商品だといい、男性専務(60)は「本当に腹立たしいし、許しがたい。みんなで働いて仕入れることができたすばらしい商品だった。早く戻ってきてほしい」とうなだれた。
■サンゴ過去にも被害
日本珊瑚商工協同組合(高知市)によると、一口にサンゴといっても、宝飾品や観賞用に使われる宝石サンゴとサンゴ礁とは全くの別物。サンゴ礁はさまざまな魚の生息場所と知られ、温かく、光が届く浅瀬で育つ。きれいな海の象徴とされるが、強度は低く、加工には向かない。
一方、太陽の光が届かない100メートル以上の深海でゆっくりと育つ宝石サンゴは、硬さと光沢が特徴。歴史は旧石器時代にまでさかのぼるとされ、奈良・正倉院には地中海からシルクロードを通って日本に運ばれてきたサンゴのビーズが納められている。
時代を経ても人気は変わらず、近年はさらに値が上がっている。日本有数のサンゴの産地・高知沖で採れたサンゴの平均単価は平成27年で1キロ160万円。10年前の約9倍といい、同組合の関係者は「中国の富裕層の需要が高まり価格が高騰し、現在も高止まりしている」と分析する。
宝石サンゴが狙われた事件は他にも起きている。同年6月には、高知市の宝石サンゴ店から、サンゴで作られた布袋像(高さ15センチ、重さ1・2キロ)が盗まれた。店によると、像は最高級の赤サンゴでつくられ、価格は7千万円相当。いまだに像は見つかっていないという。同組合は「取り扱う店などは厳重に防犯対策をすることが必要ではないか」としている。
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March 06, 2020 at 01:45PM
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変装すらせず堂々と…狙われる「宝石サンゴ」 背後に浮かぶ中国の影(産経新聞) - yahoo.co.jp
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