【星野伸之 緩急自在】
(セ・リーグ、阪神2-0中日、18回戦、阪神11勝7敗、1日、甲子園)藤浪の八回のマウンドは圧巻だった。160キロを連投する姿に「ようやく居場所を見つけたな」という思いが強い。終盤にあの球威で押されたら、打者は打てない。
先頭の堂上を空振り三振に仕留めたカットボールが、やや抜け気味にインハイへ。直後、マウンドでシャドーピッチングのように確認する姿があった。自分の思った軌道でないことを気にしたのだろう。だが、あの1球も含めて、藤浪のスタイル。あの程度の球を気にする必要はない。
本人の中には、まだ何10%かの確率で、先発への思いがあるはず。でも今は、諸条件が重なって1軍に戻り、中継ぎを任され、いい流れに乗っている。今いる場所を大事にしてほしい。あの藤川球児が最初は「七回」で大成功したように。
最大の勝因は岩田の好投だ。制球重視で無駄な力を入れない、ベテランらしい投球。途中からフォーシームを使い始める変化も見せ、西勇をほうふつさせた。十分ローテを任せられる。梅野の打者を観察した好リードがさえていたことを付け加えておきたい。(本紙専属評論家)
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