10月5日、遠藤保仁のガンバ大阪からジュビロ磐田への期限付き移籍が正式に発表された。燦然と輝く公式戦1000試合出場を打ち立てるなど、日本サッカー史に残るコントロールタワーは、その技術とともにメンタルも特筆すべきものがある。2019年開幕前、インタビュー時に遠藤が見せた人間性について再公開する。(初公開:2019/02/03)
今季、プロ生活22年目を迎えた39歳のレジェンド、遠藤保仁。J1通算出場試合数は歴代2位の602試合。今季、楢崎正剛の631試合を上回る可能性があり、注目を集めている。
日本代表の中心選手としても活躍し、2002年11月の日本代表国際Aマッチデビュー以来、152試合に出場。歴代最多記録保持者である。
これだけでも偉大すぎる記録だが、昨季は開幕戦でゴールを決め、Jリーグ連続シーズン得点記録も歴代トップの21年に更新した。さらに言うと、通算PK31得点もJ1歴代最多記録である。
そんなサッカー界の日本記録を多く持つ鉄人に会いに、キャンプ前の1月中旬、大阪に向かった。
発売中のNumber971号の取材で、現役で活躍し続けているベテランの流儀について話を聞いたのだが、「自分の立ち位置を知る」「自分のことを知る」「自分の状況を見極める」という言葉が何度も口をついて出てきたのが印象的だった。
遠藤は、自他ともに“マイペース”と称されるが、それこそが長く第一線で活躍している理由の1つであることは間違いない。
自分と似た若手が出てきたら。
世の中には、才能ある若い人が同じ組織に入ってきたら、焦ってしまう人もいるだろう。一通りインタビューが終わった後に、そういう焦りはないのかと不躾に聞いてみると、
「若くて良い選手が出てきたら、普通にすごいなと思いますよ。でもまぁ、それはそれですね」
“自分と似たタイプの”若い選手が出てきても焦らないのかという再度の質問には、
「すごいなぁ、能力あるなぁと思うくらいで……。で? という感じです。自分には自分にしかできないことがありますし、若い選手には若い選手にしかできないことがあります」
全く揺らがない答えに改めて感動していると、
「サッカーは、監督という分かりやすい選ぶ立場の人がいるので、状況は違うかもしれませんが、会社で働いている人も、人に負けないというよりは、自分に自信を持って仕事したらいいと思いますよ。
周りのことを気にしたってねぇ……。人間はどうしても欠点に目が行きがちですが、自分の長所を見直して、アピールしていくといいと思います」とエールまでもらってしまった。
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