■11月17日 よほど込み入った重大な話があるのだろうか。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が、コロナ禍にもかかわらずチャーター機で来日した。先日、東京での体操国際大会に参加した中国選手団はコロナ対策として防護服姿で現れ仰天させたが、バッハ会長も見るからに高性能の医療用とおぼしきマスクで固めてきた。
東京五輪の延期後初めての来日で、「中止を議論することはない」と来日前から断言していた。16日は菅首相や小池都知事と会談し開催に向けた緊密な連携を確認したが、何事もリモート会議で済むご時世。それだけで会長自らやってくるだろうか。リモートで第三者に漏れては困る重大案件でもあるのか。
緊密な連携なら日本側がローザンヌのIOC本部に足を運んでお願いするもので、すっかり立場が入れ替わったようにも見える。あの上から目線のIOCもさすがに開催しないことには財政が逼迫(ひっぱく)する。なんとか開催を目指す日本に「ぜひやってください」と念押しを兼ね、ご機嫌うかがいにきたのかもしれない。
一つ考えられるのはスポンサー向けのアピール。NHKが来月末に契約が切れる国内の五輪スポンサー企業にアンケートを行ったところ、「延長するかどうか決めていない」が61%にあたる33社に上った。コロナ禍で業績が悪化した企業に会長自ら“営業マン”として「やる気満々」ぶりを見せ、不安を払拭する戦略にも見える。
とはいえ時期が時期だけに謎は深い。会談はあくまで形式的で、水面下で「中止」を議論しているのかもしれない。年を越しタイミングを見計らって発表という段取りも…。そこまでの深読みはさすがに意地悪過ぎるか。(今村忠)
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