箱根駅伝のメンバーから外れた選手たち
箱根駅伝を駆ける各大学のエントリーメンバー16名が発表された。 エントリー入りした選手はまずはホッとしているだろうが、これから区間配置に向け、さらにチーム内の競争に打ち勝たないといけない。 【写真】箱根駅伝を走れない選手たち……この記事の写真を見る 一方、メンバーから外れた選手は、いろんな思いでその時を迎えたに違いない。なかにはなかなか気持ちをうまく切り替えられず、「なぜ自分が?」と悔しい思いを噛みしめている選手もいるだろう。 特に4年生にとって選外は辛い宣告になる。来年は、もうないのだ。 一方で、主力選手の落選はチームにとっても監督にとっても非常に痛手だ。当然ながら、これから決まる区間配置にも影響を及ぼす。 今年も各チームの“主力選手たち”がエントリーメンバーから外れている。
青学大》昨季の箱根駅伝を盛り上げた“次代のエース”が……
優勝候補筆頭の青山学院大学は、岸本大紀(2年)が外れた。 昨年、1年生ながら2区5位と快走し、優勝に大きく貢献。駒澤大学の田澤廉(2年)とともに次代のエースと言われた逸材だ。 今季は股関節の故障に見舞われながらも、走れない状態で合宿に参加。給水など裏方の仕事に徹していた。だが、そこからなかなか状態が上がらず、全日本大学駅伝を回避、ラストチャンスになった11月の関東学連の10000mの記録挑戦会にも出場しなかった。その後の千葉県の合宿にも参加しておらず、青学大は大きな柱の1本を失うことになった。 選手層が厚い青学大なら他に有力選手がいるから問題ないだろうと思われるかもしれない。だが、岸本の強さは別格で、安定感は抜群だった。昨年の出雲駅伝は2区で区間賞、全日本大学駅伝では区間5位ながら前年までの区間記録を上回り、箱根では2区のエース区間を走ってチームを優勝に導いた。 駅伝を外さない、駅伝で力を発揮する選手は監督にとって非常に心強い。岸本を外すことはある程度、覚悟していたとはいえ、苦渋の決断だったに違いない。原晋監督は、岸本について「ようやく走り出して、ポイント練習も始められるところに来ている。中途半端な状態で出すよりもしっかり治してほしい」と語った。将来を見越しての選外は、勇気ある決断だったが、優勝経験がある大砲が抜けた穴を、どうカバーするのか。 また、中間層ではハーフを62分52秒で走る宮坂大器(2年)がメンバー入りを逃した。 2年生は他にも近藤幸太郎、中村唯翔ら6名選出されているが、宮坂も秋に調子を上げてきていた。本人が一番悔しいだろうが、メンバーから漏れた要因を分析し、糧にして来年の飛躍、そして三大駅伝での活躍を期待したい。
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