巨人は14日、セ・リーグ理事会で来季のDH制暫定導入を提案。賛同を得られず見送られたが、リーグ全体のレベル向上を願う原辰徳監督(62)の持論が、オーナー名の文書で提案されて球団の総意が形となったことは一歩前進だ。停滞していた議論が動くか。
山口寿一オーナー(63)=読売新聞グループ本社代表取締役社長=名の文書では、「提案する理由は3つ」としている。まずは「投手の負担軽減」。コロナ禍による過密日程で今季、セ・リーグでは投手の故障者が41人に上った。これはパの30人を上回り、打撃や走塁の負担が関係した可能性を指摘している。次にチーム強化の必要性を訴え、「1人でも多くの野手に出場機会を与えて鍛えるのが理にかなっている」と主張。第3に「投手がバッターボックスの後方に立ってバットを振らない、または空振りする場面が見受けられますが、プロスポーツとして本来許されるものではない」とした。
いずれも「パ高セ低」打破のため原監督が唱えてきた主張に沿う内容。今季ペナントレースで独走した巨人が、2年連続でなすすべなく全敗した日本シリーズは、リーグ間の格差をこれ以上ない形で突き付けた。終戦後に指揮官は改めてDH制について言及。「こういう理由だからやらないんだ、というなら話は分かるけどね。反対の意見がしっかりと出てこないのはさみしい。結果だけはNOという。理由がああだ、こうだというのが全くない。誰が言っているのかも分からない」と歯がゆそうに語っていた。
この日の理事会で賛成は巨人を含め2球団のみ。残る4球団は反対、もしくは先送りを主張した。これまで反対に回る一部球団は、対外的には「野球は9人でやるのが本来の姿」などと説明してきたが、実際の懸念点はDHで「レギュラー1人分の人件費が余分に掛かる」ことだとされる。
巨人がオーナー名の提案文書を公表した以上、賛同できない側もしかるべき立場から公式な形で、その理由の説明が必要ではないか。(片岡将)
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