富士スピードウェイで行なわれている2020全日本スーパーフォーミュラ選手権。シリーズチャンピオンが決まる大一番ということもあり注目が集まる中、初日のフリー走行で速さを見せたのはTEAM MUGENの2台だった。
途中雪もちらつくような極寒のコンディションで始まった今季最終戦。午前中の占有走行では笹原右京がトップタイムを記録すると、午後のフリー走行でも好タイムをマーク。さらにチームメイトの野尻智紀がセッション終盤にトップタイムを塗り替え、終わってみればTEAM MUGENの2台が上位を独占する結果となった。
これには、チームを率いる中野信治監督も笑顔を見せた。
「調子はすごくいいです。少しずつ色々なことを試して、こういうことを作り上げたいというイメージはあったんで、それがようやく形になってきました。ドライバーも気持ちよく走れていて、シーズンを通してエンジニアとチームのみんなが頑張ってやってきたことがようやく形になってきたなというような感じですね。(この結果に)驚くというよりも、ようやくドライバー本来の力を出せる環境を、チームとして作れるようになってきたという感じです」
そう語った中野監督。特にシーズン前半は苦労することが多かった笹原が、着実に速さを引き出せるようになってきたことが、チームとしても大きなステップになったという。
「右京はこれまで苦しんできましたが、チームでも足りない部分もありました。そこはデータをしっかりと解析して、前回の鈴鹿から色々なことが分かり、変えてきたことがピタッとハマって、右京が本来の力を発揮できるようになりました」
「そういう流れで今回はきているので、あまり驚きはありません。シーズン最初から僕はこのイメージでいたんで、監督としてはホッとしています」
その笹原も、シーズン序盤は大きな問題を抱えていたことを明かしながらも、それがここにきて解決の糸口が見え始めていたという。
「15号車には今まで色々大変な部分がありました。いろんなデータを集めて、数字では表しずらいところも色々とあったんですけど、皆さんが頑張ってくれたおかげで、ようやく本来のSFというか、戦えるパッケージになってきました」
「ようやくセットアップを煮詰める作業ができるようになって、鈴鹿でも調子良かったですけど、そこで得られたことから学んで、エンジニアさんとミーティングして富士に持ち込んできましたが、その狙いが大きくは外れていなかったと思います」
そう語った笹原。午後のフリー走行では終盤にスピンを喫してしまい、新品タイヤでのアタックはできなかったが、予選に向けての手応えは十分のようだ。
「午後の最後に新品タイヤでアタックしようと思ったんですがスピンしてしまいました。思った以上に寒くなってしまって、低速でいっていたのにスピンしてしまったので、僕もびっくりしてしまったんですが、ユーズドであのタイム(野尻から0.083秒差の1分20秒791)を出すことができ、他は大半が新品タイヤでアタックしていたのを考えると、すごくポジティブではあります」
しかし、あくまで本番は日曜日の予選と決勝。野尻はランキング3番手で逆転チャンピオンの可能性も残しているため、TEAM MUGENとしてはさらに勢いをつけて最高の結果を勝ち取りたいところだ。中野監督もチーム一丸となって集中していきたいと意気込みを語った。
「本番は明日です。今日は最後新品タイヤでアタックする時に右京はスピンしてしまい、周りにも迷惑をかけてしまったんですけど、そういう細かいミスもしないように、気を抜かないように、チーム全体として集中力を高めて、集中していきたいですね」
「とにかく野尻はチャンピオンがかかっていますし、彼は勝つしかない状況です。右京も勝てれば最高だけれども、最低でも表彰台に登れるように、みんなで力を合わせてやっていきたいなと思います」
笹原は自分が持っているものを全て出し尽くすレースにしたいと語った。
「この週末から、頭の中も心も非常にシンプルでスッキリしています。前回は予選3番手になれたので、今回はポールを目指したいなと思います。それでレースは普通にスタートを切って、そこからはどういう展開になるか全然わからないですが、本当にベストを出せる状態に準備をして、レースで発揮できればなと思っています」
「当然優勝したいですけど、今季最後ですし、結果は何位というのはあんまり気にしていなくて、思い切り(全てを)出し尽くせるようなレースがしたいなと思っています」
からの記事と詳細 ( TEAM MUGENワンツー発進に中野信治監督も笑顔「イメージしてきたことが形になった」 - Motorsport.com 日本 )
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