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Sunday, February 14, 2021

南野拓実の最悪なデータ…相変わらず脅威ではなかった。試合に与える影響が少ないという問題【分析コラム】 - フットボールチャンネル

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サウサンプトンは泥沼の6連敗

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【写真:Getty Images】

 プレミアリーグでは昨季王者のリバプールが大苦戦を強いられている。現地13日に行われたレスター戦を1-3で落としたことで3連敗。チャンピオンズリーグ(CL)出場圏内に留まれるかどうかも怪しくなってきており、一部ではユルゲン・クロップ監督解任もあり得ると報じられるなど、暗い空気に包まれている。

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 そんなリバプールよりも深刻な状態にあるのがサウサンプトンだ。レスターやアーセナル、マンチェスター・ユナイテッドなど難敵との対戦が続いたとはいえ、リーグ戦では年明け一発目のリバプール戦以降勝ちなし。現地14日に行われたウォルバーハンプトン戦も落としたことで、クラブワーストとなる6連敗を記録してしまうなど、泥沼にハマっている。

 サウサンプトンの大きな問題は守備にある。ユナイテッド戦(0-9)は開始早々に退場者が出てしまったので仕方ない部分はあるが、直近6試合での失点数は実に「20」にも積み上がっている。あまりにも多すぎる数字だ。

 とくにハイライン&ハイプレスのエネルギッシュなディフェンスをベースとするサウサンプトンは、個で剥がされてしまうと一瞬で脆くなってしまう。前節のニューカッスル戦もアラン・サン=マクシマンにドリブルでサイドを破られるシーンを多く作られ、中央の整備が追い付かぬままゴールを奪われている。つまり、高い位置から捕まえる意識はあるが、そこで止めきれなかった場合の修正力や判断力がチーム全体になかなか芽生えていないのだ。

 ウォルバーハンプトン戦でも守備が一瞬で崩壊してしまった。

 アウェイチームが思ったよりも引いてきたことで前半はボールを保持でき、ダニー・イングスの得点で先制点も奪っている。しかし、「ハーフタイムの時点で彼らがもう少し前に来て攻撃的になることはわかっていた」とオリオル・ロメウが話した通り、ウルブスは後半に入り攻めの姿勢に。左利きのペドロ・ネトを左から右サイドへ、右利きのアダマ・トラオレを右から左サイドへ移したことで、攻撃時により中央エリアでボールを持つという狙いを定めた。

 サウサンプトンはそのウルブスの修正を前に悪戦苦闘。前半とポジションを入れ替えたA・トラオレとネトを捕まえきれず、ヌーノ・エスピリト・サント監督の術中にハマってしまった。そして、53分(PK)と66分に失点。1失点目はA・トラオレに中央でキープされたことが結果的にダメージとなり、2失点目はネトに個で剥がされた。少しでも押されると崩れる。セインツの守備は脆い。

南野の交代は妥当

南野拓実
【写真:Getty Images】

 そんな軟弱な守備陣を助けられるのは攻撃陣ということになるが、ウルブス戦で奪ったのはエースストライカーであるイングスの1得点のみ。ラルフ・ハーゼンヒュットル監督からリーグ戦2試合連続で先発に起用された南野拓実は、得点やアシストといった部分でチームをサポートすることができなかった。

 前節のニューカッスル戦と同じく左サイドハーフで出場した南野は、立ち上がりからツートップの一角に入ったネイサン・レドモンドとポジションを入れ替えながら好機をうかがうなど「動き」を見せていた。10分にはカウンターからボールを持ったレドモンドを追い越してパスを呼び込み決定機を作るなど、試合への入りとしては悪くなかった。

 しかし、時間が進むにつれ南野の存在感はどんどん薄れてしまった。左サイドよりも中央でのプレーを好む同選手はツートップと近い位置でパスを引き取ろうとするも、ポジショニングが抜群に良いとは言えず、敵に捕まりやすそうな場所に留まってしまった。そうなると、味方からのパスは期待できない。恐らく南野は狭いエリアで受ける自信があるのだろうが、当然ボールを失うリスクは大きいので、チームメイトからしても冒険するのは勇気のいることだった。

 また、内側でプレーする意識が強すぎるあまり、左サイドバックのライアン・バートランドが孤立してしまうシーンも多々あったのが事実。前節はこの部分の連係もある程度はうまくいっているようにも見えたが、今回は相手が5バックでブロックを組んでいた点も影響したのだろうか、悪い部分が目立ってしまった。

 前節はライン間を動きパスを引き取ってボックス内へ侵入。そこでゴールを奪った南野だが、今節は5-4-1で低めに守るウルブスを前になかなか深くまで侵入できない。日本人MFの武器であるオフの動きも、影を潜めてしまったのである。

 後半、南野は全くと言っていいほどボールに関与できなくなった。チームとして押し込まれる中、守備面での動きのみが目立ったのである。そして、62分に交代。ハーゼンヒュットル監督はカウンター狙いとして爆発的なスピードでサイドを切り裂けるムサ・ジェネポを送り込んでいる。押し込まれる中、一気に陣地を回復できる彼の投入、そして南野を下げるという選択は妥当だった。

怖さの無さは相変わらず

 残り時間28分でベンチに下がった南野を総括すると「ノーインパクト」だ。データサイト『Sofa score』内のレーティングは「6.4」でチーム内ではワースト3位の数字である。その評価は決して間違ってはいないと思う。

 ポジショニング等はチームメイトとのプレー時間を増やすことで今後よくなる可能性があるが、やはり南野の問題点はボール保持時のアクションの弱さだ。リバプール在籍時、そして前節ニューカッスル戦後にも言及したが、パスを受けても怖くないというのは攻撃を担う選手として致命的である。

 ウルブス戦でもゴールを貪欲に狙う姿勢は残念ながら見られなかった。結局は味方が南野をどこまで見つけてくれるかのような形になっており、南野が何かできるか、という攻撃パターンは相変わらず少なかった。

 データサイト『Sofa score』ではタッチ数27回、シュート数0本、キーパス0本、ドリブル成功数0回、ボールロスト12回というスタッツが出ている。パス成功率も20回中13回の成功で65%となるなど、お世辞にも褒められたものではない。

 ピッチから退いた62分の時点で南野は27回のタッチ数に留まったが、これはイングス(62分時点で19回)、GKアレックス・マッカーシー(62分時点で26回)に次ぐワースト3位の成績。見ても分かる通り、守護神マッカーシーとわずか1回の差というのは、フィールドプレーヤーとして決して良くない。

 現地メディアではウルブス戦のスタッツを紹介し、「南野がゲームに与える影響がいかに少ないかを強調している」と言及している。まさに、リバプール在籍時から日本代表MFが言われ続けてきたことである。

 次節はチェルシー戦。サウサンプトンにとって厳しい戦いになることは間違いないが、南野はそんな同チームを救い出せるのか。

(文:小澤祐作)

【了】

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