イスラエル軍とパレスチナのガザ地区を実効支配する、イスラム原理主義組織ハマスによる攻撃の応酬が続く中、アメリカのバイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し「きょう、大幅に緊張が緩和するよう期待している」と伝え、期限を設ける形で事態を収束させるよう促しました。
アメリカのバイデン大統領は19日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談しました。
ホワイトハウスの声明によりますと、この中でバイデン大統領は「停戦への道筋をつけるため、きょう大幅に緊張が緩和することを期待している」と伝え、期限を設ける形で事態を収束させるよう促しました。
これについてホワイトハウスのジャンピエール副報道官は、記者団から「イスラエルが『きょう』という期限を守らなければどうするのか」と質問されたのに対し「声明にあるとおりだ。われわれは水面下での集中的な外交を続けていく」と述べるにとどまりました。
現地で緊張が高まって以降、両首脳による電話会談はこれで4回目となります。
2日前の電話会談でバイデン大統領はネタニヤフ首相に対し、停戦を支持するとは伝えたものの、即時の停戦を呼びかけるには至らなかったとして与党の民主党からも批判が出ていました。
バイデン大統領としては、今回「きょう」ということばを使い期限を設ける形で、より強い表現で事態の収束を促すねらいがあったものとみられます。
専門家「米政権に国内外の停戦圧力」
この点について、元外交官で中東和平問題に詳しい三菱総合研究所の中川浩一主席研究員は「バイデン大統領は国内では、イスラエルを支持する共和党と、人権を重視する民主党の双方から停戦を実現するよう求められている。一方で国際社会からは、アメリカの反対により安保理で一致した見解を出せていないのは、バイデン政権が掲げている国際協調主義に矛盾していると見られている。こうした国内外の圧力から、ネタニヤフ首相と1週間に4回も電話会談する事態になっている」と述べて、圧力にさらされる中で、ネタニヤフ首相への対応に追われていると分析しました。
また今回の事態がアメリカの外交に与える影響については「アメリカがコミットする『脱中東』は難しくなり、中国シフトも難しくなる。そういった意味でバイデン政権の外交全体が問われている」と述べて、バイデン政権としてこれまで深くは関わってこなかった中東和平の問題に、関与せざるをえなくなったとしています。
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