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Wednesday, March 9, 2022

明窓・地政学的相似形 - 山陰中央新報社

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 「乱暴かもしれないが、ロシアとウクライナの関係は、中国と台湾のそれと相似形。ともに一体性の問題が根っこにある。日本人にとってウクライナは遠く、台湾は身近だが、どちらも対岸の火事ではない」-。ロシアのウクライナ侵攻を巡ってこう説明してくれたのは、東洋史研究者の荒川正晴大阪大名誉教授。2020年に大阪大を定年退官した後、松江市に移住し、研究活動を続けている▼「ロシアはウクライナを、中国は台湾をそれぞれ自国の一部とする支配意識が強い。両国とも反欧米という対立軸を共有している。特にロシアにとってウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟すれば、自分の家の庭先にミサイル基地ができるようなものだ」と荒川氏▼しかし侵攻の口実とした、そうしたロシア側の立場は、国際的非難の広がりに孤立を深めている。旧ソ連の国々や東欧がNATOになびくのは、平和や発展を求めて欧米に接近しているためであり、裏返しとしてロシアに対する不信感の表明でもある。市民を巻き添えにした力ずくでそれを阻止するのは暴挙▼侵攻にさらされているウクライナの首都キエフは、ロシア発祥地。9世紀にロシア初めての統一国家、キエフ大公国が誕生した歴史がある▼ウクライナから台湾へ-戦禍の「相似形」を中国が描くことがあるのか。台湾有事に備え、権威主義国家の振る舞いに目を凝らす。(前)

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