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Tuesday, April 19, 2022

「ありのままの形」を捉えるキーエンスの測定器 検査精密化で需要増 - ITpro

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 近年、製品の小型化や高密度化が加速し、形状・寸法検査においてより精密な測定が求められている。要求される品質保証度の高まりにより、従来の抜き取り検査から全数検査に切り替える動きもみられる。そうした用途に対応するためさまざまな方式の測定器が進化している。

 例えば、対象物表面に照射したレーザーの反射光をCMOSイメージセンサーなどで受光する、いわゆる三角測量方式のレーザー変位計だ。非接触かつ高精度に形状や位置を測定できるという特徴を強化しつつ、反射率に対する柔軟性や処理速度などを高めている。

 以下では、キーエンスのレーザー変位計(プロファイル測定器)を例に、その進化を見ていこう。同社の最新のレーザー変位計「LJ-X8000シリーズ」は、さまざまな材質のワークを、従来製品の4倍という精密さで高速に測定でき、インラインで全数検査できる対象を拡大した(図1)。微細化が進む電子部品の他、需要が急増する電気自動車(EV)関連部品の検査に活用されている。

図1 LJ-X8000シリーズ

図1 LJ-X8000シリーズ

(出所:キーエンス)

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 レーザー変位計の歴史を遡ると、最初はレーザー光をある1点に照射し、測定する装置だった。キーエンスが06年に出した「LJ-G5000シリーズ」は光を帯状に出すレンズを搭載し、一度に測定できる場所が1点から多点(線状)に変化した。照射位置を少しずつずらしていけば、線状の測定データを組み合わせて3次元形状の結果も得られる。ただこの時点では最速約260回/秒のサンプリングだったため、高速で移動するワークの測定精度には限界があった。

 対して、12年に発売した「LJ-V7000シリーズ」は世界最速の6万4000回/秒のサンプリングだ。高速でライン上を移動する物も測定できるようになり、「インラインプロファイル測定器」という名称で売り出した。ただし、インラインで検査できるのは原則として2次元のデータで、3次元化したデータを使って検査をするには、パソコンなど外部にデータを出力して専用のプログラムで処理する必要があった。*1

*1 キーエンスは三角測量方式ではない変位計として、17年に面状に光を照射して3次元形状を一括で取得する「WI-5000シリーズ」を発売した。三角測量方式で原理的に発生してしまうような死角がないのが特徴。

 そして最新のインラインプロファイル測定器が、19年から発売しているLJ-X8000 シリーズだ。進化したポイントは大きく3つある。1つ目は測定が超高精細であること、2つ目が材質や表面状態を問わずに安定的に測定できる点、3つ目が3次元のインライン検査が可能な点だ。一言で表すと、対象物の「ありのままの形が測れる」(キーエンス精密測定事業部販売促進グループ尾藤賢志氏)ようになった(図2)。それぞれの特徴を詳しく見ていこう。

図2 LJ-X8000 シリーズだと「ありのままの形状」を測れる

図2 LJ-X8000 シリーズだと「ありのままの形状」を測れる

実装した部品の端子や印字まで正確に捉えられる。(出所:キーエンス)

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