毎年約5千羽の白鳥が飛来し、水鳥の生息湿地を保護するためのラムサール条約登録湿地にもなっている新潟県阿賀野市の瓢湖(ひょうこ)。春に桜、初夏にはアヤメが咲き誇る風光明媚(めいび)なその湖畔に水原(すいばら)八幡宮は静かにたたずんでいる。
令和に入ってからの御朱印ブームもあり、季節によって10~12種類ある御朱印を目当てに参拝する人も多い。特に人気なのが、和紙に木目調の背景を入れ、2羽の白鳥が向かい合っている御朱印。色彩の鮮やかさや向かい合った白鳥がハート形になるデザインがかわいいとして、女性などに人気だ。
観光地である瓢湖を散策後に参拝する観光客も多く、取材に訪れた日は名古屋市からの参拝者もいた。
水原八幡宮でとりわけ有名なのは、ハートの形をした御神木の切り株だ。福田直之禰宜(ねぎ)(39)はその経緯をこう説明する。
「拝殿そばの松の御神木がかなり老朽化したため、10年ほど前、安全を考慮して伐採したところハート形の切り株が現れた。その後、切り株の上に小さな虹がかかる現象もみられたことから、切り株近くに絵馬掛けを設け、縁結びの祈願エリアにした」
境内の中には、子授け、安産、子育ての神様である淡島神(あわしまのかみ)を祭った淡島神社もあり、古くから懐妊した女性が安産祈願に訪れているという。
福田さんは「縁結びから子授かり、安産、子育てまで、人の成長を見守り続けるのが水原八幡宮」と説明する。
境内には、氏子だった江戸時代の和算家(数学者)、山口坎山(かんざん)の石碑が建立されている。全国から数学や数字に関わる人たちが参拝に訪れるほか、神社では全国でも珍しい算数・数学の学力向上を祈願する「算数守」(初穂料500円)を頒布している。
神社の創建年は不詳だが、山城国(やましろのくに)(現在の京都府南部)の石清水(いわしみず)八幡宮から分霊を受け、平安時代の終わりから鎌倉初期に創建されたと言い伝えられている。そのため地元では「山城様」として親しまれている。祭られているのは石清水八幡宮と同じ、武勇の神、出世開運の神として知られる誉田別命(ほんだわけのみこと)(応神天皇)だ。(本田賢一)
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【水原八幡宮】 新潟県阿賀野市外城町14の21。JR羽越本線水原駅から車で約5分。磐越自動車道新津インターチェンジから車で約20分。境内に駐車スペースあり。御朱印の初穂料は、通常サイズが500円、桜などをあしらった季節限定の見開きサイズが1千円。頒布時間は午前9時~午後4時。電話0250・62・3786。
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