共に21歳だった2016年末の電撃結婚から5年余り。モデルのpeco(ぺこ)さんと、タレントのryuchell(りゅうちぇる)さんは今、3歳になる長男の子育てにいそしんでいます。お互いを尊重し、助け合う二人に、2039年の家族像を想像してもらいました。
共働き夫婦が増えている今、たびたび課題になるのは、仕事と育児・家事の分担です。二人の場合は、主にryuchellさんが外で仕事をし、pecoさんが自宅で長男と過ごしているそう。男だから、女だからという理由での分担ではなく、お互いのやりたいことが一致した結果だと言います。
pecoさんは「私は子育てを優先したいタイプで、ryuchellはお仕事をいっぱい頑張りたいタイプ。なので必然的にこの分担になりました。もし私とryuchellが男女逆だったら、私は家庭に入るタイプのパパになっていた」と分析します。
とはいえ、ryuchellさんは、仕事の合間に家に帰って長男と遊んだり、深夜の帰宅後に洗い物をしたりすることもあるそう。「自分だったらできない」と感謝するpecoさんに対し、ryuchellさんは「仕事で外にいる時間が多いので、家にいる時間に家事が残っていたらやりたいと思うのは僕にとって自然なこと」とさらり。言葉の端々には、相手へのリスペクトが垣間見られました。
ryuchellさんは2018年に、育児を楽しみ、頑張った男性を表彰する「イクメンオブザイヤー」を受賞しましたが、「自分の子どもを育てているだけなのに、イクメンと言われることには恥ずかしさがありました」と振り返ります。
「子育ての形はそれぞれだし、こういう子育てしていたらすごいパパ、すごいママってないと僕は思っています。性別で家事や子育ての役割を決めるという考えがなくなって『昔はイクメンって言葉があったらしいよ』って言える未来になっていたらいいな」と ryuchellさんは言います。
理想のカップルとして名前が挙がることも多い二人。2039 年の家族像についてたずねました。
pecoさんは、「時代が変われば今よりもいろんな考え方が出てきて、いろんな家族の形があると思います。私が好きなアメリカのドラマでは、主人公の女の子の両親がゲイの父親2人なんです。今の日本では身近にそういう家族はいないけれど、その時代になったら、『うちの親はパパとパパなんだよね』って普通に言っている子がいるかもしれない」
ryuchellさんは「同じドラマの中で、自分と結婚式をあげる体育教師がいるんです。そんな風に自分を大切にしたい人もいる。大切なモノの守り方や愛し方って人それぞれで、強要できるものではないと思います。宗教も性別も関係なく、いろんな形の結婚があっていいよね、って簡単に言う人もいます。でも、夫婦と言えど赤の他人同士で、そんな簡単なものではありません。それぞれの価値観は全く違うから、それをお互いにちゃんとシェアして認め合えるようになっていってほしい」と語ります。
二人は、家族にとって大切なのは、「夫婦だから」「親子だから」という関係性に縛られず、自分らしさを認め合うことだと考えています。
「めちゃくちゃせっかち」だというpecoさんの場合は、「のんびり屋さん」の長男に「早くして!」と怒ってしまうことがあるそうです。それでも、後で必ず「でも、あなたののんびりしてるところも大好きなんだよ」と伝えます。「誰でも『あなたはここがだめだ』と言われることはありますが、そこを愛してくれる人もいると思っているからです」
二人もけんかを繰り返し、たくさん話をする中で、心地良いバランスを探ってきたそうです。ryuchellさんは言います。「家族だから同じ形にならなきゃいけないわけじゃない。ぶつかって丸く削れるところもあるし、自分がこれだけは守りたいというものは、角として残す。自分が幸せでないと愛を与えることは難しいし、自分を大事にできるからこそ、家族に愛は生まれるって僕は思います」
時代と共に変わりながら、やわらかくしなやかな価値観を持ち続ける――。二人のようになるにはどうすれば良いのでしょうか。
ryuchellさんは、人生には「持つべき荷物」と「捨てて良い荷物」があると言います。「持つべき荷物」は、道徳心など、時代を超えて受け継いでいかなければならないもの。「捨てて良い荷物」は、自分らしさをつぶしてしまう、しがらみなどです。
「10代のころはスポンジのように考え方がやわらかかったのに、いろんな経験をしていくと、固い大人になる怖さを感じます。『荷物』を手放す勇気と、つかむ勇気。それらを持つことで、やわらかい大人であり続ける。それが僕の中では大きなテーマです」
二人の元には同世代から多くの悩み相談が寄せられるそうです。中には、自分に自信がないがために、かたくなに「捨てて良い荷物」を持ち続けてしまう人もいます。ryuchellさん自身、過去には学校という狭いコミュニティーの中で、カラフルな服装やメイクが好きな自分をさらけ出せずにいました。「自分らしく生きられない辛さはわかりますし、そういった経験があるからこそ寄り添える気持ちになれます」
今はLGBTQ+など、多様な生き方に対する理解が広がりつつあり、ryuchellさんのファッションも個性として取り上げられます。とはいえ、そんな「男も女も関係ない」という考え方を長男に伝えるのは意外と難しいそうです。pecoさんは「息子には生理のことも教えるのですが、男の人には来ないけれど、女の人には来るものなんだよって話した直後に、こういう言い方って良くなかったのかなって考えるんですよ」
ryuchellさんはこう考えています。「生物学的な性別を理解したうえで、男らしさや女らしさを見つめられるようになることが大事なんだと思います。その中で自分の生き方を選べるのが一番じゃないかな。そのためにも、自分を認める力を若いうちから身につけてほしいです。『これは自分がキラキラしなくなってしまう』と気づくことができる自分の軸があったら、『荷物』を捨てる勇気も出てくると思います。そんな考え方を息子にも伝えていきたいですね」
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