垣花昌弘
山口県下松市の天王森古墳周辺で見つかった高さ1・2メートルの大刀形埴輪(はにわ)が8月10日~9月29日、同市中央町のスターピアくだまつで一般公開される。さやに挿入された状態の刀を表現しており、上部は柄(つか)の構造が忠実に再現されている。見学無料。
天王森古墳は6世紀前半の築造と推定される全長45メートルの前方後円墳。2020年12月~21年3月、宅地開発に伴う周辺の発掘作業で多数の埴輪の破片が出土し、人物や家、盾、刀などをかたどった形象埴輪は20体以上確認された。市教委は復元作業を進めており、今回は大刀形埴輪と高さ40センチの円筒埴輪を公開する。
大刀形埴輪は保存状態がよく、ほぼ原形が復元されるのは中四国以西では珍しい。本当の継体天皇の墓と言われている大阪府高槻市の今城塚古墳の大刀形埴輪に似ており、下松市教委によると、天王森古墳の被葬者が当時の王権から埴輪づくりの工人を派遣してもらえるほどの有力者だったとみられるという。
9月3日午後2時半から、復元・調査に携わった高橋克寿・花園大学教授が「周防の大豪族降臨―天王森古墳出土埴輪のかがやき―」と題して講演する。無料だが先着300人で事前申し込みが必要。問い合わせは市教委生涯学習振興課(0833・45・1870)へ。(垣花昌弘)
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