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Sunday, July 3, 2022

米国の次のリセッション、緩やかな苦痛が長期間続く形か - ブルームバーグ

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リセッション(景気後退)は不幸な家族のように、一つ一つそれなりの形の苦痛を伴う。

  米国の次のリセッションでもそれが裏付けられるだろう。エコノミストの間では、来年末までに起きる可能性が一段と強まっているとの見方が広がっており、次の米国のリセッションは多分緩やかになるだろうが、長引くかもしれないという。

  大方の見方では、次の景気後退は2007年ー09年の金融危機や、インフレ率が現状ほど高かった1980年代に見られたものに比べて苦痛はかなり少ない。米経済は過去のそうした時期ほど不調ではないためだという。

America's Post-WWII Recessions

Sources: National Bureau of Economic Research, Bureau of Economic Analysis

  次の景気後退は緩やかになり得るが、1990年から91年と2001年の8カ月という短いケースよりは長引く可能性がある。高インフレが米金融当局による景気てこ入れの妨げになる可能性があるからだ。

  野村証券のシニア米国エコノミスト、ロバート・デント氏は「朗報なのは、どこまで深刻になるかに限度がある点だ」と指摘。「悪いニュースは、長引くだろうということだ」と述べ、約2%の経済収縮が10-12月(第4四半期)に始まり、来年いっぱい続くとの見方を示した。

  どんな形の景気後退になろうと、1つ確実に見えることがある。それは実際に起きれば多くの痛みを伴うことだ。第2次世界大戦以降の十数回のリセッションでは、経済は平均で2.5%縮小し、失業率は約3.8ポイント上昇、企業利益は15%程度落ち込んだ。リセッションの平均期間は10カ月だった。

Headwinds Mounting For World Economy Into Final Stretch of 2021

米連邦準備制度

Photographer: Samuel Corum/Bloomberg

  経済の弱さの兆候は増えている。5月の個人消費 支出(PCE)はインフレ調整後ベースで今年初の減少となった。米供給管理協会(ISM)が発表した6月の製造業総合景況指数は2年ぶりの低水準だった。JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は、年央の成長予測を下方修正し、「リセッションに 危険なほど近い」と述べた。

  景気後退の深さと長さはインフレの持続性と、米金融当局がそれを許容できる水準に押し下げるため経済にどれだけの痛みを与えることをいとわないかに大きく左右される。

Inflation Genie

Consumer prices have been surging by the most since early 1980s

Source: Bureau of Economic Analysis

  アリアンツの首席経済顧問を務めるモハメド・エラリアン氏は、1970年代のように米金融当局がインフレを退治する前に景気の弱さに反応して政策を緩和するストップ・ゴー・シナリオを心配する。こうした戦略はより深刻な景気後退と格差拡大をお膳立てすることになるとエラリアン氏は言う。ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストも務める同氏は昨年、インフレ脅威を軽視して米金融当局が大失敗すると警告していた。

原題:

Long, Moderate and Painful: What Next US Recession May Look Like(抜粋)

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