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Monday, August 22, 2022

埼玉の考古おひろめ キノコ形土製品、初公開 行田、県内発掘の出土品紹介 - 東京新聞

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久喜市の小林八束1遺跡から出土したキノコ形土製品=いずれも行田市で

久喜市の小林八束1遺跡から出土したキノコ形土製品=いずれも行田市で

 昨年度までに埼玉県内各地で発掘された貴重な出土品を紹介する「埼玉の考古おひろめ展 地中からのメッセージ」が、行田市埼玉の県立さきたま史跡の博物館で開かれている。久喜市の小林(おばやし)八束1遺跡から出土し、関東では珍しい縄文時代のキノコ形土製品を初公開している。九月四日まで。

 キノコ形土製品は傘を広げたような形の上部の直径が約四・三センチ、上部を支える茎のような下部の高さが約二・八センチ。傘のような部分は端の一部が意図的に欠けており、食べ頃になって割れた様子を表現したとみられる。土製品は水場遺構の一帯から出土した。

 水場遺構の周辺からは土偶など祭祀(さいし)に関連する遺物も出土し、別所鮎実学芸員は「キノコ形土製品は採集への思いを祈るなど、祭祀で使った可能性がある」とみている。

川口市の三ツ和遺跡から出土した木簡など

川口市の三ツ和遺跡から出土した木簡など

 他に注目されるのは、川口市の三ツ和遺跡から出土した古代の木簡。三月に県有形文化財に指定された。展示している四点のうち、一点には「仁寿(にんじゅ)元(八五一)年」と「小渕村」との地名が書かれている。別所学芸員は「木簡に年号と地名が入るのは学術的に価値が高い」と指摘している。

 四点は大きな器の底板を転用し、木簡として使用後、先がとがった物を摩擦させて火を起こしたような痕跡が一部に残る。最後に井戸枠の補強材にも使われ、古代のリサイクルを想像させるという。

 会場には、旧石器から江戸時代の十遺跡から出土品計約三百点が並ぶ。観覧料は一般二百円、高校生・学生百円、中学生以下と障害者などは無料。月曜休館。(菅原洋)

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