コロナ禍により医療機関での対面受診を控える人が多い中、オンラインによる診療を導入する医療機関が増えている。
オンライン診療はスマートフォンやタブレットを使用し、予約や診療、決済までをインターネット上で行うため、待ち時間の短縮や在宅での受診、ウイルス感染リスクの低減といったメリットがある。
原則として初診からのオンライン診療はかかりつけ医が行う。かかりつけ医を持たない場合などは、希望する医療機関に患者が直接問い合わせる。
2020年6月にオンライン診療を導入した第二川崎幸クリニック(川崎市)は、肥満症患者を対象にした外科的な治療を中心に、肥満症に伴う糖尿病や高血圧、脂質異常症などの合併症の診療も行っている。オンライン診療は、患者が手術の適応となるかどうかの選別検査(スクリーニング)として活用している。
同クリニック外来の網木学医師は「オンライン診療ではできることとできないことがありますが、コロナ禍での有効なツールになることは間違いないと思います」と話す。
タブレット端末でオンライン診療を行う網木学医師
▽感染リスクの軽減に
網木医師は「すぐに検査や治療が必要な病状はオンライン診療に向いていません。そのため、通常のオンライン診療は、再診の患者を対象にしている所が多いです」と説明。ただ、減量外科外来は、肥満の指標となる体格指数(BMI)と問診で手術適応を判断できるので、初診であってもオンライン診療に向いているという。
▽医療機関ごとに異なる
同クリニックでは患者がホームページから予約を入れると、担当者から返信がありオンライン診療の日時が決まる。診療当日はスマホなどを開き、ビデオ通話を利用して診察を受ける。過去に経験した病気やBMIの数値、手術の意思確認などが行われ、問題がなければ実際の来院日が決定する流れだ。
もっとも、患者側は事前準備も必要だ。同診療科では、正確な身長と体重のほか、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの合併症の有無、治療中の病気があれば、正確な治療開始時期を聞き取るので、患者側で確認しておく。
「特に、精神疾患がある場合は、正確な疾患名と服用している薬剤名も重要です。お薬手帳も用意しておいてください」と網木医師。今後は、手術後の経過観察にもオンライン診療を取り入れたい意向だ。
オンライン診療を行う医療機関は全国に数多くあり、診療科もさまざまだ。厚生労働省のホームページでも確認できる。ただ、初診、再診と、どこで導入するかは医療機関ごとに異なり、使用する端末や決済方法も統一されていないため、事前に医療機関に問い合わせたい。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/09/10 05:00)
【関連記事】
からの記事と詳細 ( オンライン診療、コロナ禍で拡大~新しい診療の形(第二川崎幸クリニック)~ - 時事メディカル )
https://ift.tt/yWsEojF
No comments:
Post a Comment