<フィギュアスケート:国体>◇30日◇青森・フラット八戸◇成年女子ショートプログラム(SP)
昨年末の全日本選手権を制した世界女王の坂本花織(22=兵庫・シスメックス)が、非公認ながら自己ベストを上回る81・50点で首位発進した。
「先生に『シーズンベストを超えてきてね』って言われまして」と中野コーチに送り出されたSPは、ダブルアクセル(2回転半)から3つのジャンプを成功。不安要素だった後半のフリップ-トーループの連続3回転では、「なんかいつもより時間が余った」と両肩をいつも以上に震わせる振り付けでアピール。リンクサイドから見守る仲間の応援の声も「おもしろいな」と耳にしながら、最後まで勢い落とさずに滑り抜いた。
「ちょっとびっくり」。得点は81・50点。国際スケート連盟非公認ながら、優勝した昨年3月の世界選手権で記録した80・32点を超えた。今季の公認記録で最高の76・19点(ヘンドリクス)も大きく上回った。
今年に入って早くも3戦目。試合でしか会得できないプログラムのコツがあると実感しながら、試合に出場し続ける。今大会は日ごろお世話になっている兵庫県の代表。チームメートの三原舞依との出場に「兵庫強すぎませんか?」と聞かれると、「勝ちにきてるんで! すいません!」と笑顔満面に宣言した。
シーズン前半は精神的に苦しんだが、もう過去にした。「シーズン序盤のメンタルとか体に比べたら本気モードになってきたし、戦闘モードっていう感じになってきているので!」。母国開催となる3月の世界選手権。2連覇へ向けて、勢いを加速していく。
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