セレクト バイ ベイクルーズの店舗面積は約2800平方メートルで、同ビルの2階と3階に店舗を構える。2階は、ウィメンズブランド「ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス(MUSE de Deuxieme classe)」をはじめ、ブーランジェリー&カフェ「リチュエル(RITUEL)」、ギフトショップ「ザ スタンド(THE STAND)」、セレクトショップ「ヌビアン(NUBIAN)」が出店。ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラスは、「友人の家に遊びに行く」というストアコンセプトをもとに、バスタブを設けたフィッテイングスペースやキッチンに見立てたレジ、クローゼット仕様のラックなど、家のような内装に仕上げた。店員との会話を楽しみながら買い物をする顧客が多いブランドならではの特色から、「くつろぎながら買い物を楽しんで欲しい」という思いを込めたという。インテリアへのこだわりについて、広報担当者は「ベイクルーズはECが強いので、どうしてもオンラインに力を入れている会社と思われる事が多いが、常に実店舗を第一に考えているということを訴求するため、体験型の店舗に仕上げた」と話した。
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ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラスの店内
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ヌビアンは、初となるギフト需要に特化した店舗として、アイウェアやシューズ、バッグ、革小物とといった雑貨に加え、スキンケアアイテムなどをはじめとしたビューティーアイテムを展開。「アンブッシュ(AMBUSH)」の革小物や、CBDブランド「ワララ(WALALA)」のローションやクリームといったスキンケアアイテム、フレグランスブランド「リナーリ(LINARI)」のルームディフューザーなどが揃う。従来の店舗ではアパレルアイテムを豊富にラインナップしているが、同店ではアパレルは1ラックのみ。2024年春夏シーズンから同店限定で取り扱いを開始する「ディーゼル(DIESEL)」を中心に揃える。担当者は「虎ノ門という立地を考慮し、より多くのお客様に立ち寄っていただくため、ギフト需要に応えながら、よりラグジュアリーな店舗として運営していく」と説明した。
ヌビアン店内
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3階は、自社ショップのバイヤーがセレクターを務める「SELECT-A」と「SELECT-B」、アイウェアショップ「アイシンク(EYETHINK)」のほか、新ショップとして、ファッションディレクターの長尾悦美がコンセプターを務めるデニムショップ「ザニーム(THENIME)」や、「ミタスニーカーズ(mita sneakers)」の国井栄之をディレクターに迎えたスニーカーショップ「ヘリンボーン(Herringbone)」、恵比寿の書店「ポスト(POST)」が手掛ける雑貨&ブックショップ「タイトル(TITLE)」、ベイクルーズ初のアートギャラリー「アート クルーズ ギャラリー バイ ベイクルーズ(art cruise gallery by Baycrew’s)」などを展開する。
ザニームの店内
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3階中央のウィメンズの売り場「SELECT-A」では、「ドゥーズィーエム クラス(Deuxieme Classe)」や「シティショップ(CITYSHOP)」「ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)」など、さまざまなブランドのバイヤーがセレクトを担当。「ヒロブ(HIROB)」で取り扱いのあるヴィンテージの「ティファニー(Tiffany & Co.)」や「ロレックス(ROLEX)」などと合わせてアイテムを展開し、ブランドの垣根を超えた提案を行う。ヘリンボーン横の売り場「SELECT-B」は、ジャーナル スタンダードと「エディフィス(EDIFICE)」のバイヤー2人が、「バイヤーが好きなものだけ」というコンセプトをもとに、メンズアイテムを中心にセレクト。ブランドの特色は両極端だが、あえて同じ売り場で見せるようにしたという。いずれも、各売り場の区画は曖昧。「店舗間の動線をスムーズにすることで、ブランドだけではなく、ジェンダーの括りも取り払う。ウィメンズだけの展開に見える売り場にもメンズアイテムを点在させた。女性がメンズアイテムを着たり、男性がウィメンズの小物を持つなど、近年の一般客層の傾向に合わせて見せ方を工夫した」(古峯正佳取締役副社長)。
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ウィメンズ中心の売り場「SELECT-A」
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今回、ベイクルーズとして初参入となるスニーカーショップのヘリンボーンについて、古峯氏は「スニーカーショップは街に溢れているが、弊社のウィメンズブランドの店頭では、女性のお客様から『スニーカーショップに行っても何を買っていいかわからない』という相談を耳にする機会が多い。女性の方にスニーカー選びを楽しんでもらえるような店舗として、あえて新業態として開発した」とコメント。同じく新業態となるアートギャラリーについては「ファッションの『着飾る』という言葉と同じく、“生活にアートを飾る”という感覚で、ファッションを通じてアートを浸透させたい、という思いから構想を練った。アートは敷居が高いものではなく、もっと生活に馴染めるのだということを、ファッションと同じ文脈で提案したい」と胸の内を明かした。
ヘリンボーン
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◆「セレクトショップ業界に一石を投じたい」古峯副社長の思い
古峯氏は、新業態の出店に際し、虎ノ門ヒルズステーションタワーを選んだ理由について「現取締役CEOの杉村からトップ就任の際に『ベイクルーズグループで街づくりに寄与したい』という展望を聞いていた。そんな時、森ビルさんから虎ノ門ヒルズ ステーションタワーについてお話をいただき、当初は、虎ノ門はビジネスの街なのか、商業の街なのか、全くイメージが湧かなかった。でも、だからこそ『街づくり』には打ってつけなのではないかと考え、僕たちの取り組みが、多くの人の来街のフックになるなら、と出店を決めた」とし、虎ノ門を象徴するショップを目指す。
セレクトショップ御三家に匹敵する規模でビジネスを成長させてきたベイクルーズだが、古峯副社長はセレクトショップ業界全体に対して「どのショップも似通ってきている」と警鐘を鳴らす。「どこに行ってもなんとなく同じセレクトになっている気がしていて、それはベイクルーズも例外ではない。1990年〜2000年代初頭の、まだSNSやECが発達していなかった頃のセレクトショップにはもっと活気があった。当時は『海外から、日本人がまだ見たことのないような面白いものを持ってこよう』という気概を感じたんですが、近年はそういう流れが薄まっていると感じる」。新業態では、活気のあった当時のセレクトショップで経験を積んだバイヤーを各売り場にセレクターとして立て、好きなものを持ち寄った売り場として展開することで、セレクトショップのあり方を再定義する狙い。古峯副社長は「セレクトショップ業界に一石を投じるような役割になれば」と展望を語った。
からの記事と詳細 ( ベイクルーズが挑戦する新たなセレクトショップの形 「セレクト バイ ベイクルーズ」の全貌 - FASHIONSNAP.COM )
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